【動画】楽天と西友、神奈川・横須賀で国内初の公道走行するロボット宅配開始

【動画】楽天と西友、神奈川・横須賀で国内初の公道走行するロボット宅配開始

手数料無料で1カ月限定実施、将来のサービス展開目指す

楽天と西友、神奈川県横須賀市は3月23日、同市内の住宅地で自動配送ロボット(UGV)を使い、西友で購入した商品を消費者の自宅まで届けるサービスを開始した。

期間は4月22日までの1カ月限定。ロボットが公道を走行して宅配するのは日本で初めて。3者は走行の安全性などに関するデータを集め、将来のサービス展開にこぎ着けたい考えだ。


楽天と西友が宅配に使っているUGV

サービス対象は同市馬堀海岸の「西友馬堀店」で取り扱う商品で、利用者は専用のスマートフォン向けアプリで注文するか、同店舗で購入した商品をサービスカウンターに持ち込むかすれば、手数料無料で自宅までUGVが届ける。到着すると自動音声による電話で知らせる。

UGVはパナソニック製で、サイズは長さと高さが1・15メートル、幅65センチメートル。最大積載量は30キログラム、最高速度は時速4キロメートルに設定している。

配送の際は馬堀海岸エリアから約5キロメートル離れた同市内の電波・情報通信関連技術などの研究開発施設「横須賀リサーチパーク」に設けた拠点で携帯電話回線(LTE)を使い、UGVに設置したカメラの映像やセンサーで得られた現在位置などの情報をモニターで常時ウォッチし、障害物がないかなどを確認。併せて、UGVの走行時は常にスタッフが保安要員として付いて歩き、トラブル回避に努める。

3者はサービス開始初日の3月23日、メディアに配送の様子を公開した。西友馬堀店から近隣の住宅に向けて、UGVが駐車中の車を感知した場合はいったん停止したり、T字路でゆっくり左右に曲がったりしながら走行。数百メートルの距離を10分程度かけて移動し、目的の住宅に到着した。

ペットボトル入りミネラルウォーターや調味料、ティッシュなどを購入した女性は「重い物やかさばる物を配送してもらえるのは大変便利。ぜひこれからもサービスを続けてほしい」と語った。


常に保安要員のスタッフが後ろを付いて回る


車両などを検知するといったん停止する


到着したら、暗証番号を入力してロボットの側面を開け商品を受け取る

将来は保安要員なしで複数ロボットの同時遠隔監視目指す

3者は昨年12月、同じエリアでUGVを使い、実際に走行してテストを重ね、安全性を確認できたことなどからサービスに踏み切ることを決めた。宅配は期間中、西友馬堀店近隣の約200メートル×約120メートルの範囲の住宅街で実施。火曜日と木曜日のみ受け付ける。サービスの受付時間は午前10時から午後3時半に設定している。

サービス開始を前に、横須賀市内で記者会見した同市の上地克明市長は「近い将来、横須賀ではロボット配送をスタンダードなサービスにしたい。積極果敢に取り組むことをお約束する」と決意を表明。

楽天コマースカンパニーの向井秀明ロジスティクス事業ドローン・UGV事業部ジェネラルマネージャーは「今回の配送を通じてデータをしっかり集め、将来は(UGVに付いて歩く)保安要員なしで、1人で複数のロボットを同時に遠隔監視できるようにしたい」と語った。


会見後の撮影に応じる(左から)楽天の向井ジェネラルマネージャーと小森紀昭執行役員コマースカンパニーロジスティクス事業ヴァイスプレジデント、上池市長、西友の小川秀典店舗運営本部関東リージョン・ローカルリージョンバイスプレジデント

(藤原秀行)

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