「非対面化」促進、22年度以降の商用化目指す
日本通運とNTTドコモは3月29日、日々の点呼業務の省力化・精度向上を図るため、「点呼・運行前点検システム」の共同開発に乗り出すと発表した。期間は9月末まで。
日通は2013年以降、営業用車両の運行管理などに用いる「オペレーション支援システム」の通信回線やスマートフォンをドコモが担当するなど、協力関係にある。
18年6月から21年3月までは、国土交通省の事業の一環として、スマートフォンとクラウドサーバーを活用した「点呼システム」で運転免許証や車検証の有効期限の確認、アルコールチェック、健康状態などをデータ化し活用することで日々の点呼精度向上と効率化を促進。日本通運が東京と鹿児島に構えている2事業所で実証実験を展開し、同システムの有効性を確認した。
また、運行前点呼で確認が必要な運行車両の日常点検に関し、スマホを生かして点検結果をデータ化する「運行前点検システム」を試行的に利用、点呼システムと連動させる実証実験も行った。
今回共同開発する「点呼・運行前点検システム」はこれまでの研究成果を基に、宿泊を伴う運送業務における遠隔点呼や2泊以上の業務時に行う中間点呼への対応、プッシュ通知を利用したワークフロー化などを通じ、営業所で行っている対面での通常点呼を含め、技術的には全ての点呼を非対面で行えるようにするのが狙い。
日本通運は運行前点検システムでグループ各社や協力会社における点呼・点検の高度化を図る。ドコモは他の物流事業者向けにも2022年度以降に商用化したい考えだ。
システムの概要(両社プレスリリースより引用)
(藤原秀行)