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大規模マルチ型物流施設の空室率、首都圏の1~3月は1年3カ月ぶり1%台に上昇

大規模マルチ型物流施設の空室率、首都圏の1~3月は1年3カ月ぶり1%台に上昇

CBRE調査、「需要の過熱感は一服」と分析

シービーアールイー(CBRE)は4月28日、今年1~3月期の大規模マルチテナント型物流施設の賃貸市場動向に関する調査結果を公表した。

このうち首都圏は平均空室率が1・1%で、04年第1四半期(1~3月)の調査開始以来の最低水準だった昨年10~12月から0・6ポイント上昇した。1%台になるのは2019年10~12月の1・1%以来、1年3カ月ぶり。

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CBREは「20年は新型コロナウイルスの感染拡大で顕在化したマスクや日用品の『特需』もあって物流スペースを確保するための競争が激化したが、テナントの動きは一服しつつある」と指摘。需要の過熱感がやや落ち着いてきたとの見解を示した。

実質賃料は1坪当たり4460円で、前期から横ばいだった。既存物件は各エリアで上昇したが、今期に竣工した5棟のうち4棟が相対的に賃料水準の低い圏央道エリアだったことが影響した。

今期竣工の5棟中、2棟は満床で稼働したが、テナントが再募集に踏み切った物件もあり、空室が残った。「今期は物流企業が需要をけん引したが、取り扱いの荷物を見るとEC企業やオムニチャネル化を図る企業の拡張需要も見られる」(CBRE)という。

向こう2四半期に新規供給される予定の物件では6割程度の面積で入居テナントが内定済みと推察。ただ、CBREは「全体では順調なリーシングペースだが、立地やスペックによってリーシングの進捗状況に開きが出てきた」と慎重な見方も示している。

調査対象は首都圏1都3県を中心とする地域で延べ床面積が1万坪以上の187棟。


首都圏の需給バランス(CBRE資料より引用)

国道16号エリアは賃料上昇ペース抑えられる物件も

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首都圏の主要な4エリア別の概要は以下の通り。

▼東京ベイエリア
空室率は0・9%で前期から0・9ポイントアップした。新規供給はなかったが既存物件で空室が発生したためという。ただ、需給バランスが逼迫している状況自体は変わっておらず、実質賃料は0・8%上昇の7440円となった。中・小型の新築計画が複数進んでおり、「都心特有のニーズの受け皿として注目されている」(CBRE)という。

▼外環道エリア
空室率は1・3ポイント低下し1・6%。今期竣工した物件で空室が残ったのが響いた。実質賃料は5180円で横ばいだった。新規供給は今期竣工のものを含めて5棟中4棟が埼玉県内に集中しており、「中でも14年以来途絶えていた(常磐自動車道の)三郷IC周辺での供給が3棟ある」(CBRE)。新規供給の影響で同地域の利便性が見直され、賃料は上昇傾向にある。

▼国道16号エリア
今期は供給ゼロで、空室率は横ばいの0・0%だった。ただ、今年4~6月以降に完成予定の物件ではまだ満床となったものは少ないという。CBREは「前期時点で内定済みと推定されていたスペースが再募集となったほか、既存物件で転貸区画が複数あるなど、今後は空室率が上昇する可能性がある」とみている。実質賃料は0・2%アップの4430円。今後も供給がない地域や相対的に割安感のある物件は賃料が上がったが、それ以外は歯止めが掛かっているという。

▼圏央道エリア
空室率は2・2ポイントアップの3・1%。今期竣工した4棟のうち2棟で空室が残ったことが要因。ただ、向こう2四半期に完成する予定の5物件中、4棟でテナントが内定しているもよう。CBREは「このエリアでも再募集となったスペースが出たものの、需給バランスが大きく崩れることにはならないだろう」と予想している。実質賃料は0・8%上昇し3580円だった。

(藤原秀行)

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