郵便・物流はビッグデータ分析し業務少量化・適正化図る
日本郵政は4月28日、2021~25年度を対象としたグループ主要4社の戦略的IT投資計画を公表した。
期間中にグループの事業領域でDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するため、郵便・物流事業の自動化や郵便局の業務デジタル化などに総額約4300億円を投じる方針を表明した。
内訳は、
・郵便・物流事業で郵便物の差出情報などのビッグデータを分析した業務省力化・適正化などに約1800億円
・金融サービスのセキュリティーや不正防止対策、通帳アプリの機能拡充などに約2300億円
・郵便局のサービスをより使いやすくする「デジタル郵便局」構築などに約100億円
・窓口業務運営のデジタル化に約100億円
――を想定している。
郵便・物流事業の投資の概要(日本郵政資料より引用)
オンラインで同日会見した日本郵政の増田寛也社長は「当社グループは膨大なデータを持っているが、各社、各事業でデータベースが分かれていて十分活用できていなかった。個人情報保護に十分配慮しながらデータを一体的に整備、全てのお客様に新たな価値を提供するデータ基盤に発展させていきたい」と説明。「24時間365日サービスを提供できる『デジタル郵便局』を構築する」語った。
郵便・物流事業では、郵便物差出や荷量などのデータを基に、配達の要員配置やルート設定の最適化、事前通知による再配達削減を図ることを想定。宅配の受け取り場所多様化や変更手続きの柔軟化なども進める方針を盛り込んだ。自動運転やドローン(無人飛行機)を配送に活用することにもあらためて意欲を示した。
データの分析・活用に関しては、資本・業務提携している楽天グループとも連携していく考え。
(藤原秀行)