「Xフロンティア」活用などで収益改善持続見込み
SGホールディングス(HD)の川中子勝浩取締役(経営企画担当)は4月30日、オンラインで開催した2021年3月期決算説明会で、20年度(21年3月期)の飛脚宅配便などデリバリー事業の取扱荷物個数が前期比6・7%増の14億300万個に達したことに言及した。
背景として、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うEC利用の拡大でBtoCの荷物が大きく伸び、BtoBをカバーしたと説明。BtoCの小型の荷物が増えたため、1個当たり単価は644円で前期からわずか3円のプラスにとどまったが、SGHDグループで自動化・少量化を徹底した大型物流拠点「Xフロンティア」を活用することなどで収益性が改善、営業利益率は0・7ポイントアップの7・0%に達したことを明らかにした。
21年度(22年3月期)については「ニューノーマルの動きがこれからも継続し、EC化が進むとみているが、コロナの影響がいつまで続くかはなかなか見通しにくい」と指摘。デリバリー事業の取扱個数は前期から横ばいの14億300万個、1個当たり単価も3円上昇に647円と保守的に見積もっていることを明かした。ただ、営業利益率は1・1ポイント上昇の8・1%と、収益改善が続くとの見解を示した。
Xフロンティアに関しては、機能の中核を占めている佐川急便の中継センターの1日当たり処理能力が想定値より35%以上高くなっていると強調。順調に稼働していることをアピールした。
また、宅配のインフラ整備の一環として、21年4月以降、千葉・流山、神奈川・相模原など計8カ所で既存施設の能力増強や新規拠点開発を進めていることに触れた。
オンライン会見の模様(SGHD提供)
(藤原秀行)