今夏めどに施行へ
台風などの異常気象の際、船舶に安全な場所へ早期に避難することなどを促せる制度の創設を盛り込んだ改正海上交通安全法と改正港則法、改正航路標識法が5月25日の衆議院本会議で、全会一致で可決、成立した。
改正海上交通安全法は、海上保安庁長官が船舶交通の多い海域にある船舶に対し、適切な方法で錨泊したり当該海域から退去したりするよう勧告・命令できるようにする。勢力の大きな台風が襲来し、強風でいかりが移動、船舶が流されて空港設備などに衝突、被害が生じるケースが相次いでいることを踏まえた。
改正港則法は、台風などの異常気象時に、特定の港やその周辺を航行している船舶に対し、港長が提供する情報を聴取するよう義務付け、事故を防げるようにする。
改正航路標識法は、海上保安庁の管理する航路標識の工事・維持について、同庁長官が業務を適正・確実に行える団体を「航路標識協力団体」として指定できるようにし、標識が適切に維持されるよう後押しすることなどを打ち出している。
いずれの改正法も一部を除いて今夏をめどに施行する見通し。
(藤原秀行)