22年施行へ、政権交代でも取り組み継続を担保
政府が打ち出している2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする目標を明記した改正地球温暖化対策推進法が5月26日の参議院本会議で、全会一致で可決、成立した。
法律で目標を明記することで、政権交代があっても取り組みが継続されるよう担保する狙いがある。政府は2022年の施行を目指す。温室効果ガスの排出量が多い物流業界も、より踏み込んだ対応を求められることが確実だ。
改正法は基本理念として「50年までの脱炭素社会の実現」を設定。達成に向け、国と国民、地方自治体などが緊密に連携していくことを規定している。
都道府県や政令指定都市に対し、再生可能エネルギーの導入目標を設定するよう義務化。全国の市町村が再生可能エネルギーを使った発電所を積極的に誘致する「促進区域」を設けることも努力義務として定めている。
併せて、再生可能エネルギーの発電所を建設する際、周辺住民との合意を前提として、市町村が優良な事業計画と認定した場合は環境影響評価(環境アセスメント)の手続きを一部簡素化できる仕組みも導入する。
(藤原秀行)