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発動対象をアルファレオHDなどに限定する乾汽船の新買収防衛策、総会で支持は54・65%にとどまる

発動対象をアルファレオHDなどに限定する乾汽船の新買収防衛策、総会で支持は54・65%にとどまる

康之社長ら取締役再任の賛成票、昨年から低下

乾汽船は6月24日、東京都内で同23日に開催した定時株主総会の議案に対する株主の賛否の割合を示した「臨時報告書」を関東財務局に提出した。

従来の買収防衛策をいったん廃止し、発動対象を筆頭株主の投資会社アルファレオホールディングス(HD)および同社と関係がある企業に絞り込んだ新たな買収防衛策に変更するとの会社側提案については、賛成が54・65%にとどまった。

アルファレオは直近で乾汽船の発行済み株式の29・99%(議決権ベースでは31・50%)を所有しており、アルファレオ以外にも一定数の株主が反対に回ったもようだ。

新たな買収防衛策は、アルファレオHDなど特定グループを念頭に、30%を超える株式を取得しようとしたり、濫用的株主権の行使と裁判所が認める行為をしたりした場合に発動。独立委員会への諮問などを経て、対抗措置としてアルファレオHDなど一部を除く全ての株主に新株予約権を無償割り当てし、アルファレオHDの持ち株比率を強制的に引き下げることを想定している。

乾汽船は買収防衛策変更の理由について、アルファレオHDが頻繁に訴訟を提起したり臨時株主総会の招集を求めたりしてきたことに言及。大規模な株式買い付けや株主権の濫用的行使は乾汽船に直接の損害を生じさせるとともに、経営リソースの空費やステークホルダーとの関係の破壊・毀損で中長期的な企業価値や株主の共同の利益を損ねる恐れがあると主張している。

ただ、買収防衛策の変更に対し、議決権行使助言会社の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が、新たな買収防衛策は旧来のものと異なり、発動に際して株主総会の承認を必須とせず、株主総会決議で廃止できない点などを問題視。反対するよう乾汽船株主に推奨していた。

ISSの推奨に一定程度賛同する動きがあったことになる。乾汽船は定時株主総会で了承を得たとはいえ、新たな買収防衛策の発動に際しては慎重な判断が求められそうだ。

また、定時株主総会で会社側が提案した取締役5人(社外取締役3人を含む)の人事に関しては、乾康之社長再任への賛成が58・12%で最も割合が低く、乾隆志取締役の再任も58・28%、社外取締役の苦瀬博仁東京海洋大名誉教授の再任は58・93%、元川崎造船社長の神林伸光日本船舶技術研究協会理事長の再任は58・92%。4人とも、60%台だった昨年6月の定時株主総会時から賛成票の割合が低下した。

新任社外取締役の元郵船ロジスティクス代表取締役専務執行役員の村上章二氏は63・52%だった。

(藤原秀行)

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