就任後初のオンライン会見開催、電動化などでトヨタ車体やダイハツと連携拡大に意欲
日野自動車の小木曽聡社長は7月2日、オンラインで6月24日の就任後初の記者会見を開いた。
小木曽社長は、千葉県八街市で集団下校中の小学生の列に飲酒運転していたとみられるトラックが突っ込み、5人が死傷した事故を受け、業界団体の日本自動車工業会(自工会)とも連携し、飲酒運転を防止するアルコールインターロックシステムのトラックへの導入促進といった取り組みを加速させていく必要があるとの認識を示した。
また、商用車の電動化などの面で、トヨタ自動車グループのトヨタ車体やダイハツ工業と連携を深めていくことに意欲を見せた。
オンライン会見する小木曽社長
「カーボンニュートラルや安全性、メーカーで連携して加速しないといけない部分がある」
小木曽社長は千葉・八街の事故について「(アルコールチェックを行わないとエンジンを始動できない)アルコールインターロックシステムのようなものは自工会などで連携し、少し横展開したり、ルールやガイドラインを整備したりすることが必要なのではないか。これまでにも日々取り組んできたことではあるが、交通死亡事故ゼロに向け加速していかなければいけない」と語った。
また、自動ブレーキなどの安全補助装置に関しても「技術がどんどん進歩しているので、大型車にこそ積極的に入れていくべきだと思い、取り組んでいる。大変重要なことだと思っている」と強調。性能向上を図る姿勢を強調した。
小木曽社長はトヨタと日野、いすゞ自動車が4月に新会社「Commercial Japan Partnership Technologies(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ、CJPT)」を設立、小型トラック領域のEV(電気自動車)やFCV(燃料電池自動車)の共同開発を進めていることに言及。
「個社でやっていてはスピードが不足する部分がある。(温室効果ガスの排出を実質ゼロにする)カーボンニュートラルや安全性などについても、国内の商用メーカーで連携してもっと加速しないといけない部分があると思う」と語り、商用ワゴン車などを手掛けるトヨタ車体、事業者向け軽トラックなどを製造しているダイハツとも協業の領域を拡大できる余地があるとの見解を示した。
商用車をFCV化する可能性については「(水素を供給する)インフラが1つの課題ではあるが、トラックは主要幹線にステーションを置けばいいので相性が良い。CJPTの水素の取り組みも(普及を)加速させてくれるのではないか。耐久性と信頼性をトヨタさんとともに磨いていきたい」と述べた。
(藤原秀行)