地方エリアでの物流施設開発「ニーズ十分見込める」、中核都市で積極推進表明
プロロジスの山田御酒社長とオイシックス・ラ・大地の髙島宏平社長は8月5日、神奈川県海老名市のオイシックス専用物流施設「プロロジスパーク海老名2」で開催した竣工式典の後、メディアの取材に応じた。
山田社長は、同施設がプロロジスとしてはBTS型で初めて、当初から冷蔵倉庫として建設したことに触れ、今後はマルチテナント型でも冷蔵・冷凍設備を配備した物流施設を開発、提供していくことに強い意欲を見せた。
また、首都圏や関西圏に加え、東北など地方エリアの中核都市でも先進的で使い勝手のいい物流施設のニーズが十分見込めると指摘、開発により本腰を入れていく姿勢を見せた。
髙島社長は新施設を関東エリアのマザーセンターとして運営する上で自動化・省力化設備を積極的に取り入れていくと明言した。
撮影に応じる山田社長(左)と髙島社長
オイシックス・ラ・大地・髙島社長、自動化対応に積極姿勢
山田社長は「完成した建物に後から冷蔵庫を設置するのと、建設しながら冷蔵庫を設置していくのとでは工期が圧倒的に違う。コストも2~3割抑えられる」と明かした上で、「ドライ倉庫ではなかなか差別化が難しい。立地と(賃料などの)経済条件の戦いになってしまうが、そういうレースには参加したくない。もっと今回のように付加価値のある施設を手掛けていきたい。当社は社内に設計・施工部隊を持っており、いろんなご要望へスピーディーに対応できる。マルチテナント型でも冷凍・冷蔵設備を最初からご案内することが可能になってくると思う」と強調。
今後は自動化やロボット導入の面も含めてプロロジスが整備し、顧客に提供する物流施設を開発していくことに取り組みたいと説明した。
また、岩手県で初めて物流施設を開発する計画を公表したことに触れ、「われわれも不勉強だったが、地方の中核都市ですごくきちんとしたニーズがある。東北にしても、岩手で大手物流企業が多く進出されている。当社の施設に関心も持っていただいている。今回の岩手の案件も無手勝流に建てたわけではない」と述べた。
プロロジス自身が物流事業に参入する可能性については「お客様の事業とバッティングすることはしない」と語り、明確に否定した。
髙島社長は「マザーセンターとして分散した拠点を集約することでセンター内のオペレーションの効率も上がるし、商品調達やセンター間の横持ちの面でも大きく生産性向上が見込めると思っている」と解説。
自動化・省力化に関しては「新センターは(現行拠点で)働いている人プラスアルファくらいの人数でオペレーションができる体制を造りたいということで、自動化を進めている。もっと進めることも将来的にはあり得るかもしれない。うまく行けば他のセンター運営のモデルにもなる」と語った。
(藤原秀行)