千葉・八街の事故受け対策強化、速度規制と設備を組み合わせ「人優先」実現図る
国土交通省と警察庁は8月26日、通学路など生活道路の交通安全向上のための新たな区域「ゾーン30プラス」を設定すると発表した。
既に最高速度を時速30キロメートルに抑制する「ゾーン30」を展開しており、併せて車両の進入や速度抑制へ設備導入など物理的な対策を実施、「人優先」の安全・安心な通行空間をより確実に整備するのが狙い。当該エリアは新たに看板や路面標示を設置、ドライバーらに注意を呼び掛ける。
千葉県八街市で今年6月に起きた、飲酒運転のトラックが下校中の小学生の列に突っ込んで5人が死傷した事故を受け、政府が進めている全国の通学路点検を踏まえた対策の一環としても位置付けている。
進入抑制対策としては、地面の下に棒状の車止めを格納、自動昇降して車両の通行を制限する「ライジングボラード」、速度抑制対策としては路面を人工的に隆起させる「バンプ」や横断歩道近くの道幅を狭める「狭窄」、横断歩道部分を盛り上げて通過の際にスピードを落とすようにする「スムーズ横断道路」などを想定している。
ゾーン30プラスの具体的な箇所は交通事故の発生状況や地域関係者からの要望などを踏まえ、今後決定する。速度抑制対策のうちスムーズ横断歩道は、9月末までに全国17カ所で設置、効果を見極める予定。
ゾーン30は2020年度末までに全国約4000カ所で設置済み。
「ゾーン30プラス」の標識のイメージ(国交省・警察庁発表資料より引用)
(藤原秀行)