緊急事態宣言やまん延防止の拡大・延長、豪雨など影響、一時的か
帝国データバンク(TDB)が9月3日発表した8月の景気動向調査結果によると、景況感を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が36・0で、7月の前回調査から0・3ポイント低下した。3カ月ぶりに前月から悪化した。
新型コロナウイルスの感染拡大下でも持ち直しの基調が持続していたが、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が拡大・延長されたほか、豪雨・長雨も影響したもようだ。
全業種ベースの景気DIも7月から1・5ポイント上昇し39・2で、3カ月ぶりの悪化。TDBは全体の先行きに関し「緊急事態宣言等で一時停滞するものの、緩やかな回復が続くと見込まれる」と展望、景況感悪化は一時的との見解を示した。10業界別に見ると、「その他」を除く9業界が悪化した。
運輸・倉庫業のコメントでは、先行きに対し「輸出関連企業は堅調な伸びが期待できる」(一般貨物自動車運送)、「鋼材の値上げ、材料不足はしばらく続くとみられる。22年度は需給バランスがどうなっているかまだ見通せない」(普通倉庫)といった声が聞かれた。
調査は8月18~31日にインターネット経由で実施、全国の1万1170社が有効回答を寄せた。回答率は45・7%。運輸・倉庫業は526社が調査に参加した。
(藤原秀行)