三菱商事との従量課金型サービス「RaaS」に新タイプ追加も表明
三菱商事とインド発祥の米ロボットベンチャーGreyOrange(グレイオレンジ)は9月30日、共同でオンラインセミナーを開催した。
講演したGreyOrangeのサマイ・コーリCEO(最高経営責任者)は自社のロボット事業の現状と今後の方向性などを説明。新たな取り組みとして、商品の保管棚を持ち上げて倉庫のピッキング作業担当者の元へ運ぶ自動搬送ロボット「Ranger(レンジャー)GTP」(旧名Butler=バトラー=)の最新モデル「Ranger GTP3・0」を同日から日本市場に投入する方針を明らかにした。
最新モデルは動作速度を最大2倍に高め、全体で約15%の性能向上を実現。ロボット自体のサイズをより小さくした分、保管棚に収納できる商品の量を増やせる点などもメリットに挙げている。コーリCEOは「日本の小売業などの方々にお役立ていただけると確信している」と自信を示した。
コーリCEOはまた、両社が協力し、物流ロボットを台数に応じて月額の従量課金制で貸し出すことで導入のハードルを下げ、効率的な運用を後押しする「Robot As A Service(RaaS)」サービスに関し、新たにGreyOrangeのパレット搬送ロボット「Ranger IL」をラインアップに加えることも表明した。近く取り扱いを本格的に始める見通し。
RaaSは現在、Ranger GTPに加えて中国の新興ロボットメーカー、シリウスロボティクス製の自律走行型ロボット(AMR)「FlexComet(フレックスコメット)」も扱っている。三菱商事とGreyOrangeは提供するロボットのタイプを多様化させることで、さまざまな現場のニーズに応えていきたい考え。
コーリCEOは今後、GreyOrangeが手掛けている小口仕分けロボット「Ranger MoveSmart」やケース搬送ロボット「Ranger TTP」もRaaSに対応していきたいとの考えを強調した。
「Ranger GTP3・0」(オンラインセミナーのGreyOrange資料をキャプチャー)
(藤原秀行)