川崎重工、長野・伊那で世界初の無人VTOL機使った山小屋への物資輸送プロジェクトを開始

川崎重工、長野・伊那で世界初の無人VTOL機使った山小屋への物資輸送プロジェクトを開始

中央・南アルプスで実施、ヘリコプター代替目指す

長野県伊那市と川崎重工業は10月5日、同市の中央アルプス・南アルプスエリアで、世界で初めて無人VTOL(垂直離着陸機)を使い、山小屋への物資輸送を行うプロジェクトを開始したと発表した。

山小屋への物資輸送はヘリコプターが担っているが、パイロット不足、送電線工事や公共事業の増加などで機体を安定的に確保するのが難しくなっているため、ヘリコプターに代わる定期輸送手段として無人VTOLを使えるようにするのが狙い。

川崎重工業が開発を進めている、ヘリコプターの荷揚げ作業を代替できる100キログラム以上の荷物搭載能力を備えた無人VTOL「K-RACER」を投入。同機の継続航行距離は100キロメートル以上、上昇能力は2000メートル(標高耐性3100メートル)を想定している。

プロジェクトには、伊那市と連携して2020年8月からドローンを使った買い物支援サービス「ゆうあいマーケット」を展開しているKDDI、河川上空をドローン物流の専用空路に設定する事業に取り組んでいるゼンリンも参加する。

各者は輸送の枠組みを確立した上で、他の山岳地帯への展開もできるようにしたい考えだ。


物資輸送のイメージ(プレスリリースより引用)

(藤原秀行)

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