政府の日本郵政株保有比率、法が定める下限の「3分の1超」まで低下へ

政府の日本郵政株保有比率、法が定める下限の「3分の1超」まで低下へ

10月中に追加売却し復興財源確保、民営化に一区切り

政府は10月6日、保有する日本郵政株式を追加で売却すると発表した。

発行済み株式全体の約27・3%に相当する約10億2700万株を10月中に売り出す予定。売り出し価格は未定だが、約9500億円の売却益を見込んでおり、東日本大震災の復興財源に充当する。

郵政株の売却は2017年9月以来、約4年ぶり。売却後の持ち株比率は約33・3%まで低下する見通し。郵政民営化法は政府の郵政株式持ち分の下限を「3分の1超」と規定しており、復興財源確保へ下限の水準近辺まで売却する。

政府はこれまで15年と17年の計2回、総額約2・8兆円で郵政株を売却しており、22年度までに計4兆円の売却益を得て復興財源に回すことを目指してきた。今回の売却で政府の持ち分放出は終了、民営化の過程に一区切りが付くことになる。ただ、郵便事業の収益悪化に歯止めが掛かっていないなど、先行きへの懸念材料は山積している。

日本郵政は10月6日、政府の保有株放出を受け、1000億円を上限として自社株買いを実施する方針を公表した。

(藤原秀行)

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