(ジャスティン・O・シュミット著、白揚社)
想像するだけで気絶しそうなタイトルだが、著者の昆虫学者はハチやアリの生態を解明するため、大まじめに勇気ある行為に取り組んできた。時には山盛りのアリを1匹ずつ解剖して毒の成分を集め、時には実験台としてハチの前に自分の体を差し出す。こんな汗と痛みの集積は、ハチやアリが刺すという機能を武器に、必死に生きている姿を解き明かしてくれる。巻末には80種類以上の昆虫に刺されたときの痛みを細かく分類した一覧表も。圧倒的な探求心に最敬礼、でも真似は無理!(2500円)
(藤原秀行)