【動画】賃貸住宅の居住者にロボットが購入商品を自動配送

【動画】賃貸住宅の居住者にロボットが購入商品を自動配送

UR都市機構とドコモ、テムザックが横浜市内でデモ公開、遠隔操作と組み合わせ

NTTドコモと独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)、ロボット開発を手掛けるテムザックは10月27日、横浜市金沢区でUR都市機構が運営している大規模賃貸住宅「金沢シーサイドタウン並木一丁目第二団地」内で、居住者が購入した商品をロボットが自動で配送する実証実験のデモンストレーションをメディアに公開した。

テムザックが開発した、人と物の両方を運ぶことが可能なロボット「RODEM(ロデム)」を投入。UR都市機構などが出資し、賃貸住宅管理業務を手掛けている日本総合住生活(JS)も実証実験に協力した。


実験に投入した「RODEM」

実証実験はインターネットで商品を注文したと想定し、自動運転と遠隔操作の両方を駆使してロボットが待機所から賃貸住宅敷地内に設けた集積所まで移動。買い物代行者役の女性がロボット後部のロッカーに商品を収め、購入者が住む棟の前までトータルで数百メートルを移動、無事商品を届けた。

ロッカーには顔認証機能を持たせ、買い物代行者や住人の顔をスマートフォンで確認、開錠した。この日はトイレットペーパーとペットボトル入りお茶を輸送した。ロボットは自動運転時が最高時速2キロメートル、手動運転時が6キロメートルで走行。器用にバックや方向転換もできる。

通路の狭い箇所などより慎重な走行を求められる場面はドコモの携帯電話向け次世代高速通信システム「5G」を使い、ロボットに装着した全方位撮影可能なカメラなどで周辺環境を確認しながら、離れた場所にある集会所内に設けたオペレーションセンターから操作した。

実験に協力し、商品を受け取った50代の男性は「高齢の両親が買い物に使えれば非常に便利だと思う。技術的にはかなり難しいとは思うが、ロボットが階段を上って部屋の前まで来てくれるようになるとうれしい。高齢者でも容易に使える決済の仕組みなどを検討してほしい」と感想を述べた。


賃貸住宅の敷地内を走行


男性が無事、商品をロッカーから取り出した


オペレーションセンターで映像などをチェック

ドコモとUR都市機構は2020年12月、UR賃貸住宅内でロボットなどの先進技術を活用し、高齢者の買い物支援といった課題解決と居住者がより住みやすい環境の実現を目指す共同研究協定を締結。今回の実験もその一環と位置付けている。

実証実験は10月27、28日の両日に実施し、住民のニーズなどを探る予定。両者は今後も実証実験と共同研究を続け、自動配送ロボットの実用化などを図る。

(藤原秀行)

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