不動産証券化協会、Jリート投資法人のESG情報開示事例集を初公開

不動産証券化協会、Jリート投資法人のESG情報開示事例集を初公開

物流施設銘柄は太陽光発電の積極導入や「責任投資原則」署名など列挙

不動産証券化協会は10月27日、Jリートの投資法人などがESG(環境・社会・企業統治)領域で実施している取り組みを開示した事例集を作成したと発表した。

事例集は同協会が日本総合研究所に調査委託、取りまとめたもので、今回が初めて。オフィスビルや物流施設、住宅、商業施設、ホテルなど多様な不動産アセットタイプに特化しているJリートの多様な投資事例を網羅しており、同協会に加盟している不動産会社などのESG投資を促進しているのが狙い。海外の投資家にもアピールするため、英語版を併せて開示している。

投資対象を物流施設に特化したり、物流施設に相当な比重を置いたりしているJリートの具体的な事例としては、日本プロロジスリート投資法人が2000年以降、物流施設への太陽光発電システム導入を進め、現在は業界トップクラスの規模に達していることや、ESGに関する5つの目標を定めて社会の持続可能性維持への貢献を図っていることを引用。従業員の多様性を確保するための具体的な方針を示していることなどにも触れている。

産業ファンド投資法人は個人情報保護方針を策定・運用し、取得した個人情報などの取り扱いに関する苦情・相談が寄せられた場合の対応も明記していることを掲載。13年に資産運用を担っている三菱商事・ユービーエス・リアルティがJリートとして初めて、国連が投資家へESGに配慮して投資するよう求める「責任投資原則」に賛同、署名したことなどに言及している。

ラサールロジポート投資法人も、物件供給のスポンサーを務めるラサール インベストメント マネージメントが国連の責任投資原則に署名を済ませている点を公表。加えて、主要国の中央銀行や金融規制当局が参加する国際機関「金融安定理事会(FSB)」が設けている「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」のサポーターとして署名したり、「国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)のメンバーになっていたりすることも明かしている。

(藤原秀行)

事例集はコチラから(不動産証券化協会ウェブサイト)

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