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【独自取材】センターポイント・ディベロップメントが物流施設投資加速へ

【独自取材】センターポイント・ディベロップメントが物流施設投資加速へ

三菱UFJリースと連携し業容拡大、3年間で1000億円規模を計画

 物流施設の開発・運用に特化した投資助言会社のセンターポイント・ディベロップメント(CPD)が業容拡大に動いている。今年10月に三菱UFJリースを引き受け先とする第三者割当増資を実施して事業基盤を強化。同社から人員を受け入れたほか、従業員数も増やし、物流施設ニーズの高まりに応えようとしている。

 CPDは用地を取得して施設を建設する定石の手法にとどまらず、既存の建物を改修して物流施設に用途変更するなど、投資家の要望や開発対象地域の特性といった諸条件を踏まえて最善策を考え、柔軟にプロジェクトを展開する“独自路線”をモットーに掲げている。多くの物流施設開発に参画してきた三菱UFJリースとタッグを組んでファンドを組成、今後3年間に1000億円規模を投資していく計画を公表しており、今後も入居企業、投資家の双方にとって魅力的な案件を生み出していきたい考えだ。


千葉県松戸市で今年9月完成した「CPD松戸Ⅰ」。段ボール最大手レンゴーが物流拠点として利用する。東急不動産、三菱UFJリースと共同開発した(CPD提供)

ひと手間ふた手間を惜しまない独自開発

 CPDは2011年、米系不動産サービス大手ラサール インベストメント マネージメントなど不動産業界出身者らが集結して立ち上げた。そこにはプロジェクトを進めるに当たって、開発期間や投資規模などに関し、業界の常識に必ずしもとらわれず、より柔軟にプロジェクトを進めていきたいとの思いがあった。

 自身もラサールなどで不動産開発の経験を積み重ねてきた吉川陽介代表取締役は物流施設の持つ重要性が注目されていたことから、「われわれが手掛ける物流施設が社会インフラの結節点(センターポイント)となるような意義あるプロジェクト(デベロップメント)を進めたいと考えた」と社名に込めた思いを語る。

 CPDの独自性は第1号案件から発揮されている。千葉県柏市で13年に完成した物流センターは大手メーカーのアルミサッシ工場と用地を取得してアパレルやeコマース向けの物流施設に刷新。新築よりコストを抑制し、競争力ある賃料を実現した。同じ年に広島県五日市市で手掛けた2番目の案件は、物流企業が建設を進めていた冷凍倉庫の建屋と用地を取得、一体で開発した。

 この他にも行政など関係者との協議に時間を要する市街化調整区域での開発に成功。大手デベロッパーとの共同開発も実績を重ねている。

 同社が大きく注目される契機になったのが兵庫県尼崎市にあったパナソニックのプラズマパネル工場建屋を物流センターに改修、17年に完成させたプロジェクトだ。建物と用地の所有者が異なるなど一筋縄では行かない案件ではあったが、地上6階建て、延べ床面積28万平方メートル超の大規模建物の良さを最大限生かしつつ、やはり新築よりコストを抑えることができた。

 吉川氏は「他の大手デベロッパーが取り組みにくいような案件でも、当社ではひと手間もふた手間も惜しまずに掛けることで優良物件にすることが可能。難易度の高い用地を高性能の物流インフラに生まれ変わらせていくことは社会的な意義も大きい」と自負する。開発案件の規模はこれまでの累計で約700億円に上っている。用地取得が難しさを増している今、CPDのスタンスは差別化を図る上でも有効だろう。


取材に応じる吉川氏

「1件当たり30億円以上」をめどに

 三菱UFJリースとの連携強化は今年初めごろから話を進めてきたという。その背景について、吉川氏は「当社の設立以来、長いお付き合いがある。当社は独立系でスタートしたが、今後さらに事業を拡大していくためには何らかの形で事業基盤を増強することが必要だった。投資候補の案件はいくつもあり、需要に応えるためには組織を拡充して人を増やしていくことが一番のポイントだった。その意味で三菱UFJリースさんは当社にとってご指導いただける非常に貴重な存在」と語る。

 第三者割当増資の結果、三菱UFJリースのCPDへの出資比率は33%に上り、持ち分法適用関連会社となった。既に三菱UFJリースから人員を迎え入れたほか、従業員も増やし、現在は発足当初からは2倍に相当する10人超となった。オフィスもそれまでの東京・霞が関から今年11月、同じ東京の大手町へ拡張移転した。

 両社は投資ファンドを組成し、三大都市圏と福岡県を中心に1件当たり30億円以上をめどとして優良な物流施設に投資していく方針だ。投資ファンドには海外の大手機関投資家も参加を決めている。さらに新たな取り組みとして、物流施設以外にも有望な産業関連施設であれば投資を検討する。

 吉川氏は「三菱UFJリースさんとマーケットの見方は共有できている。単純に投資の規模拡大を狙いに行くのではなく、戦略的な立地を志向していきたい」と、ひと手間ふた手間をいとわない従来路線に大きな変更がないことを強調。投資対象の物流施設が抱える問題点を改善して価値を向上させる「オポチュニスティック投資」にトライしていく予定だ。

 さらに、コールドチェーンのニーズが拡大していることから、CPDは冷凍・冷蔵倉庫への投資も検討していく構えだ。リース会社とタッグを組むことから、冷凍・冷蔵設備の導入という面でリースなどの枠組みを通じ、入居企業に新たな付加価値を提供することも視野に入れている。三菱UFJリースの後ろ盾を得て、CPD流の「手間をいとわない」物流施設投資がさらに多様化するのか、物流業界の関心を引き続き集めそうだ。

(藤原秀行)

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