岸田首相表明、効果は未知数
岸田文雄首相は11月24日、首相官邸で記者団に対し、原油価格高騰に伴いガソリンや軽油の価格が上昇しているのを受け、政府が備蓄している石油の一部を市場に放出する方針を発表した。
米国が既に国家備蓄石油の一部放出を決めており、日本や中国など主な石油消費国にも協調するよう呼び掛けていた。ガソリンなどの価格上昇を抑制するために国家備蓄石油の一部を放出するのは初めて。
国家備蓄の石油は災害などで安定供給に懸念が発生した場合を考慮し、9月末時点で145日分を保管している。今回は法律で最低限必要と義務付けている量を上回る分について放出する見通しで、まず国内需要の数日分を市場に供給するとみられる。
ただ、安定供給確保のために備蓄している原油を、効果が明確に見通せない価格抑制策として使うことには、政府・与党内などで異論や反発が出そうだ。
(藤原秀行)