サプライチェーン混乱に対応、貨物輸送効率化と安全性の向上後押し
日立製作所は1月14日、グループで鉄道システム事業を担う日立レールと、オランダのインターモーダルテレマティクス（Intermodal Telematics＝IMT）が独占的な長期パートナーシップの締結に合意し、IMTのモニタリングサービスを日立の貨物輸送向けデジタルサービスに追加すると発表した。
パートナーシップに基づき、日立は世界中の鉄道貨物会社に、効率と安全性を向上させるモニタリングをリアルタイムに行うソリューションを提案できるようになる。
独立系ソリューションプロバイダーのIMTは貨車やコンテナ向けのデジタルモニタリングセンサー、テレマティクスソリューションを開発してきた。センサーを活用し、車両の正確な位置、積載状況、ドアやハッチの開閉状況、貨物の温度や気圧、台車、輪軸の状態を確認できる。
また、センサーで取得したデータは太陽光で動作するGPSデバイスを介してクラウドに送られ、列車と貨物の状態をリアルタイムで監視し、潜在的な問題を鉄道事業者に警告する。日立は今回のパートナーシップにより、AI分析を活用して世界中の貨物輸送の効率と安全性の向上につなげられるとみている。
日立はIMTの技術を活用することで、貨物輸送の信頼性とパフォーマンスを向上させる本格的なテレマティクスソリューションを提供することができる。同技術で事業者がサプライチェーンをより効率的に管理し、対応を適切かつ迅速に行うために不可欠な情報を提供する。
新型コロナウイルスの感染拡大などで今後も世界中のサプライチェーン混乱が続くと予想される中、パートナーシップを発揮し、鉄道貨物事業者、社会インフラの強靭さやトラブルへの対応力を高められるようにしたい考えだ。
IMTとの提携は、日立が2021年度度に行ったパーペチュームの買収に続き、日立の鉄道事業に関わるデジタルサービスを強化するのが狙い。
イギリスのテクノロジー企業パーペチュームは、列車の信頼性と性能を向上させるデジタルソリューションを提供している。パーペチュームの遠隔監視システムは、他の不具合を防止するプロセスよりも早く、台車の不具合の予兆を検知し、メンテナンス周期をより効率的なものにし、車輪の寿命を延ばすことができる。
日立はパーペチュームの遠隔監視システムと IMTのソリューションを組み合わせ、貨物輸送をリアルタイムに、より総合的に監視できる環境を顧客へ提供する。
（画像はプレスリリースより引用）
（ロジビズ・オンライン編集部）
