物流関連主要団体・企業の年頭所感②
「これからの3年間が雌雄を決する時」
日立物流 中谷康夫社長
これまでの取り組みによって当社グループの経営基盤は強化され、国内・海外の収益性も高まってきた。また、現在を勝ち抜くための投資だけではなく、持続的な成長に向けた投資も行っている。しかしながら、世の中の変化のスピードは想像以上に加速している。変化とスピードに応じて進化し続けない限り、いずれは衰退を余儀なくされる。
2019年4月から新たな中期経営計画がスタートするが、これからの3年間がまさに雌雄を決する時だ。日立物流グループはオペレーションオリジンの会社であり、この根幹が変わることはない。コア領域を徹底的に強化しながらも、決して既存の領域にとどまることなく、変化に応じて進化し続け、さらなる成長を実現していく。これがまさに(18年度から掲げる新たなビジネスコンセプトの)「LOGISTEED」であり、日立物流グループの事業が「LOGISTEED」へと変化・進化を遂げることが、次期中期経営計画のゴールだ。
「『世界規模で取扱物量拡大』の基本方針堅持」
近鉄エクスプレス 鳥居伸年社長
2019年は当社グループにとって、4月から新たな中期経営計画が始まる節目の年となる。また私たちを取り巻く環境も、米中間の覇権争いに端を発した貿易戦争のリスクが高まる中、18年までのような市場に追い風が吹いていた時と一変して、不透明な状況が続くものと想定される。
近年中国を中心にビジネスを伸ばしてきた日本を含むアジア諸国にとっては今までの流れからは想像もできない変化が起こる可能性もある。これは当社にとっても非常に大きなリスクだが、ライトアセットゆえのフットワークの軽さを生かし、お客さまの状況に合わせた物流のベストソリューションを提供できる機会が増えることにもなる。よってさまざまなリスクを十分に心にとどめた上で、世界規模で取扱物量の拡大を図るという基本方針を堅持し臨んでいきたい。
「未開拓市場へ積極果敢に挑む」
大和ハウス工業 芳井敬一社長
本年は新たな次代の幕開けとなるが、私たちが達成しなければならない課題が3つある。1つ目は、増税に対する“備え”と増税後のお客さまへのきめ細やかな提案と対応だ。事業も結果は全て準備で決まる。2つ目は海外事業のさらなる飛躍だ。未開拓市場に挑戦者として積極果敢に挑み、当社グループの強みである「インフラから街づくり、維持管理業務に至るまで、世界の多くの人々の役に立ち、喜んでいただける商品開発やサービスの提供に努め、世界に必要な企業」とならなければならない。
そして3つ目はこうした成長に欠かせない個々のパワーアップだ。そのためには「事業を通じて人を育てる」という当社の社是と併せ、何事にも常に前向きに“正対”することが重要だ。ぜひ新年から自己成長の目標を持って、1人1人が人や本、歴史などから学び、現状に常に疑問を抱き、持論を持って行動してほしい。
(藤原秀行)