新センターへ全出荷移転の当日に「入荷」工程で混乱、影響は今期中に収束と強調
オイシックス・ラ・大地は2月10日に開示した2022年3月期第3四半期決算説明資料の中で、物流センター移転時のトラブルで商品配送が大きく遅延したことに関する原因や業績への影響などに言及した。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って野菜などの宅配需要が大きく伸びたのに対応するため、神奈川県海老名市の「OisixNew(オイシックス・ニュー)海老名ステーション」への移転を当初計画の2024年ごろから約2年前倒しで実施。
しかし、全出荷を旧物流センターから移管する当日、最初の工程の「入荷」で納品時間の遅れなどが生じてオペレーションが混乱。後工程の倉庫入れや在庫確認が停滞し、商品を棚に補充しきれず、高精度の新たな物流ラインを稼働させられなくなり、配送できなくなったと説明した。
また、今回の混乱により、トラブル対応のための物流・人件費増や商品廃棄、新規会員受付一時停止などが生じ、2022年3月期に売上高で約15億円、利益で約15億~20億円の損失が生じている見通しと集計した。
今後の対応として、2月中に海老名ステーションの業務生産性向上などで出荷能力の増強を完了。販売アイテム数も段階的に増やすなどして、22年3月期中に「注文・お届けの質をトラブル前の水準まで戻す」ことを打ち出している。
併せて、影響は22年3月期中に収束できると指摘。来期の23年3月期は収益を伸ばせると強調している。
22年3月期の連結業績予想に関しては、トラブルの影響などを織り込み、売上高は従来の1050億円から1130億円へ引き上げた半面、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は65億円から55億~60億円、営業利益は50億円から35億~40億円、当期利益は30億円から25億円にそれぞれ下方修正した。
(藤原秀行)