グループ企業が取り扱うIT保守部品対象、コスト3割削減可能と試算
NECは2月16日、主にICT機器の保守サービスを提供しているNECフィールディングの保守部品の配送効率向上に向け、量子コンピューティング技術を活用した実証実験を開始したと発表した。
具体的には、機器故障の発生によりカスタマエンジニア(CE)が現場で保守作業を行う際、CEの出動計画に沿った保守部品の配送計画の立案に量子コンピューティング技術を活用する。
首都圏の部品配送について過去のデータを基に試算した結果、配送車の削減や距離の短縮化などで配送コストを3割程度削減できることを確認しており、今後の現場適用へ検証を進める。
NECフィールディングは、NEC製・他社製のICT機器などに故障が発生した際、CEが拠点から現場に出向いて保守作業を行うサービスを提供している。首都圏で一日に発生する保守作業は数百件に上り、CEのスキルや到着時間をもとに作成した出動計画に沿って、交通事情を加味しながらパーツセンターから部品を配送している。
保守部品を積み込みパーツセンターに待機している配送車
しかし、緊急対応や定期保守、時間指定への対応など様々なオーダーが存在するほか、配送エリア、部品の種類・サイズ、トラック・バイクなどの配送手段の組み合わせは膨大になり、効率的な配送計画を立案できる人材が限られるといった課題を抱えている。
実証実験は大規模な組み合わせ問題の超高速処理を実現するNEC Vector Annealingサービスを活用して配送効率向上によるコスト削減とCO2排出抑制、配送計画の立案属人化解消などを目指す。2月から現場での一部保守サービスに適用して実証実験を始め、2022年度の本格導入に向け配送計画の精度向上と運用面の検証を進める。
(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)