物流センターは22年中に運営面積を96.7万坪まで拡大へ
SBSホールディングス(HD)の鎌田正彦社長は2月18日、東京都内の本社で開催した2021年12月期の連結決算説明会で、商品の保管や仕分け、入出荷、配送をトータルで担う「EC物流」の売上高を現状から30年までに、さらに1000億円積み増したいとの考えを示した。
また、22年中に物流センターを外部物件の賃借や自社開発などで20万1000坪(約66万3000平方メートル)増床し、運営面積を22年中に96万6800坪(約319万平方メートル)まで拡大する方針(計画中のものを含む)を公表。「100万坪(約330万平方メートル)もそんなに遠くない時期にできる」との見通しを示し、EC物流の収益拡大につなげていくことに強い意欲を見せた。
鎌田社長はEC物流に関し、現状の売り上げ規模は大塚商会の「たのめ~る」など350億~400億円程度と説明。「中小のお客様がいっぱいある」と語り、新規需要の掘り起こしに自信を見せた。主要顧客のアマゾンジャパンに関しては配送のみを請け負っているため、EC物流の収益にはカウントしていないという。
物流センターについては、22年中に茨城や愛知、千葉で3棟を自社グループで開発するほか、埼玉県所沢市でSBSロジコムやSBS即配サポート向けを2棟建設する計画を立てていることなどに言及。「EC物流専用センターの開発を強化している」と語った。
環境負荷軽減のため、ラストワンマイル物流の領域に中国製の小型EV(電気自動車)トラック導入を準備していることについて、21年末から公道で実証実験を始めたことなどを報告。「380万円でガソリン車とほぼ同じ価格で納入されると聞いて(採用を)決めた。今年の5月くらいには改良版の車が中国から送られてくる予定なので、われわれのニーズにどの程度合致しているかを確認できれば2000台を入れていきたい」との意向を表明した。
物流企業などのM&Aについては「決まった話は今は何もない」と述べた。
(藤原秀行)