中小規模の物流施設など向け、荷物を敷き詰めて配置可能
産業用ロボット開発などを手掛ける早稲田大学発のスタートアップ企業、東京ロボティクスは3月6日、「モバイルグリッパ」の製品版プロトタイプを開発したと発表した。
モバイルグリッパは小中規模の物流施設や工場、市場などで短距離配送や仕分け、パレタイジング・デパレタイジングを行うロボットとして、2021年10月に試作機が完成。その後、寄せられた要望を反映し、各種機能が大幅に向上した製品版プロトタイプを生み出すのに成功した。
手先のグリッパが左右独立して上下回転と横方向スライドができるため、片方のグリッパを上に回転し、反対側のグリッパは横から押し込むことで、荷物を敷き詰めて置くことが可能。段ボールの位置・姿勢を画像から認識、位置合わせして安定したピッキングを実現する。
ライン上を移動しながらマーカーを読み取り、適宜動作を切り替える。現在はSLAM技術を用いた無軌道ナビゲーションの開発も行っている。屈曲軸と昇降軸の組み合わせにより、床上の物から160センチメートル程度の高所の物までアプローチ可能です。また、全方位移動台車を用いることで小回りができるため、狭い場所での運用にも適している。
グリッパ部分は4自由度あり各軸が独立して可動できるため、前述の敷き詰めパレタイジングだけでなく、台車の停止位置が荷物の中心からずれた場合でも安定して把持。荷物の底が当たったことを検知する機能も実装。載置動作の際に荷物を傷付けずリリースできる。
3月9~12日に東京・有明の東京ビッグサイトで開催の「2022国際ロボット展」に出展する。
「モバイルグリッパ」
段ボールを認識(いずれも東京ロボティクス提供)
(藤原秀行)