先端技術で課題解決図る「スーパーシティ」、ドローン配送などの茨城・つくば市と空飛ぶクルマ利用の大阪市を指定

先端技術で課題解決図る「スーパーシティ」、ドローン配送などの茨城・つくば市と空飛ぶクルマ利用の大阪市を指定

政府が正式決定、規制緩和進め革新的取り組みを後押し

政府は3月10日、首相官邸で国家戦略特別区域諮問会議(議長・岸田文雄首相)を開催し、AIやドローン配送、自動運転といった先進技術を活用し、地域が抱える人手不足や少子高齢化などの諸課題解決を図る「スーパーシティ」に、茨城県つくば市と大阪市を指定する方針を決めた。

つくば市はドローンを使った配送など、大阪市は長い滑走路を用いずに垂直離着陸が可能な「空飛ぶクルマ」を利用した人の輸送などをそれぞれ提案しており、政府は規制緩和や制度整備などで実現をサポートしていく方針。

岸田首相は会議で「今回の特区指定は始まりにすぎない。今後、特区で規制改革を実現し、データの連携や先端的なサービスの実施を通じて地域課題の解決を実現していくことが、デジタル田園都市国家構想の実現につながる。引き続き、政府、自治体、事業者が連携し、特に規制改革の実現を中心にしっかりと取り組みを進めていただきたい」と語った。

スーパーシティは2020年施行の改正国家戦略特区法に基づき創設。自治体から提案を公募し、政府が審査の上、指定先を選ぶ。複数の規制緩和を同時に進め、人の移動や物流、医療、介護、教育など様々な分野で先進技術を生かした革新的な取り組みができるようにするのが狙い。

つくば市は「スーパーサイエンスシティ構想」を掲げ、ドローン配送のほか、搭乗型移動支援ロボットや追従型荷物搬送ロボット、自動運転車いすなどを駆使。子育て世代や高齢者らの生活を支えることを打ち出している。

大阪市は府とも連携し、2025年開催の大阪・関西万博の場も活用しながら空飛ぶクルマの技術開発や認知度向上に努め、35年以降は日常的に使われるモビリティ(移動手段)として定着している姿を想定している。


会議で発言する岸田首相(首相官邸ホームページより引用)

(藤原秀行)

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