デッペンCEOが就任後初会見で表明
三菱ふそうトラック・バスのカール・デッペン社長兼CEO(最高経営責任者)は4月5日、川崎市内の本社で今年1月の就任以来、初めて記者会見した。
デッペン氏は、同社が手掛けている小型のEV(電気自動車)トラック「eCanter(キャンター)」の次世代モデルを2022年中に発表する考えを明らかにした。
eCanterは17年、国内初となる量産型の小型EVトラックとして発売。20年には先進安全性能を備えた新モデルを市場に投入している。日本や米国、欧州、オーストラリア、ニュージーランドで計350台以上を物流現場などに納入。累計走行距離はグローバルで450万キロメートルを超えている。
三菱ふそうは世界的な脱炭素の潮流を踏まえ、2039年までに国内で導入する全ての新型車両を電動化するとの目標を掲げている。デッペン氏は会見で「22年も将来に向けた投資を継続していく」と強調、eCanterの次世代モデルも脱炭素化に貢献していく手段の中心に据えていく姿勢を示した。
三菱ふそうは今年3月、次世代モデルの試作車両をメディアに公開。航続距離が異なる複数の車種を開発し、宅配やルート配送など多様な需要をカバーするほか、災害時に充電している電気を外部に給電できるようにすることも念頭に置いていると説明した。
3月に公開したeCanter次世代モデルの試作車両
現行モデルのeCanter
(藤原秀行)