ガソリン補助金を拡充、航空機燃料も対象に追加

ガソリン補助金を拡充、航空機燃料も対象に追加

岸田首相が物価高騰への総合緊急対策を説明

岸田文雄首相は4月26日夜、首相官邸で記者会見し、最近の物価高騰に対する総合緊急対策を説明した。

ガソリンや軽油などの価格上昇を抑えるため、石油元売り大手へ支給している補助金の上限を従来の1リットル当たり25円から4月28日以降、35円へ引き上げる。併せて、補助金支給の期限を4月末から9月末まで延長する。

元売りを支援することで末端のガソリンスタンドの店頭価格上昇を抑制するのが狙い。価格を抑える目標はガソリンで現行の1リットル当たり172円程度から当面168円まで下げる。

岸田首相は「仮にガソリン価格が200円を超える事態になっても、市中のガソリンスタンドでの価格は当面168円程度の水準に抑制する」と強調した。

国際原油市場価格が1バレル=150ドル(約1万9500円)と過去に例を見ない水準まで上がり、35円を超えて補填が必要になった場合、価格上昇分の2分の1を支援して国内価格の上昇を抑える。

さらに、対象油種はこれまでのガソリン、軽油、重油、灯油に加えて航空機燃料も対象に追加。タクシー用LPガスも同様に支援する。このほか、運輸、農林漁業、生活衛生関係営業など、影響が大きい業種への支援を進める。

岸田首相は「産油国への原油増産の働き掛け、エネルギー調達の多角化に加え、エネルギー源の多様化に向けて再生可能エネルギーの最大限の導入と、原子力の活用を進めていくこともエネルギー市場の安定化、低廉かつ安定的なエネルギー供給確保のために極めて大切。関係諸国とも連携しながら全力を尽くす」と訴えた。

中小企業支援として、取引の適正化を進んるとともに、公共調達や補助金で優遇措置を設定し、賃上げを後押ししていく。政府系金融機関によるセーフティネット貸付の金利をさらに引き下げるほか、実質無利子・無担保融資を9月末まで延長し、資金繰りを支援する。事業再構築補助金に特別枠を創設し、原油価格や物価高騰の中で新規事業に挑戦する企業をサポートすることも打ち出している。

政府だけでなく地方自治体も原油などの物価高騰を受けて生活者や事業者への支援を柔軟に行えるよう、地方創生臨時交付金で1兆円の対応枠を設ける。

(藤原秀行)

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