防犯機能維持、大手配送事業者などと連携
宅配ボックスなどを手掛けるPacPort(パックポート)は4月27日、資本・業務提携しているドアホン大手のアイホンと、荷物の伝票番号をエントランスインターホンの認証キーとして活用する荷物認証宅配システム「Pabbit(パビット)」を開発したと発表した。
複数の大手不動産会社がPabbitを採用することを決めているという。PacPortは同種のシステム実用化は日本初と説明している。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴うインターネット通販の利用拡大で宅配便の取扱個数が急増。再配達回避策として「置き配」や宅配ボックスの利用が伸びているが、オートロック付きマンションは「宅配ボックスの空きがない」「共用部への置き配は防犯上難しい」などの理由から再配達を避けられないケースも出ている。
Pabbitはこうした課題に対応するため開発。オートロック付きマンションで配送業者が荷物の伝票番号(バーコード)を認証キーとしてオートロックを解錠、居住者の不在時でも入館が可能となり、各階・各戸専用宅配ボックスに荷物を届けられるようになると見込む。荷物の伝票番号が認証キーとなるため、その荷物を持っている配達員しか解錠できず、なりすましは困難。
宅配員のなりすましを防ぐ高いセキュリティ性を実現するとともに、居住者が非対面でも安心して確実に荷物を受け取ることが可能な環境を整備する。Pabbitを採用する現在建築中の分譲マンションは各住戸に専用宅配ボックスを標準装備する。既存物件にも対応が可能。
PacPortとアイホンはPabbitの普及促進へ大手配送業者とのシステム連携を図る方針。今後は配送業者のほか、ネットスーパーなどにも順次拡大していく予定。
(藤原秀行)※画像はPacPort提供