三菱造船、主燃料をLPGからアンモニアに転換可能な大型ガス運搬船のコンセプト設計完了

三菱造船、主燃料をLPGからアンモニアに転換可能な大型ガス運搬船のコンセプト設計完了

将来の普及にらみ、比較的小規模な改造で対応と見込む

三菱重工業グループの三菱造船は6月9日、主燃料をLPG(液化石油ガス)からアンモニアに転換することを想定したVLGC(Very Large Gas Carrier、大型ガス運搬船)のコンセプト設計を完了し、一般財団法人日本海事協会から基本設計承認(Approval in Principle、AIP)を取得したと発表した。

三菱造船は大型LPG運搬船や、アンモニアも運搬可能な多目的ガス運搬船の建造・引き渡しを計80隻以上行ってきた知見を生かし、将来はアンモニア燃料に転換可能なVLGCの実現を目指している。今後、ニーズに応じてアンモニア燃料に転換可能な設計を適用することが可能で、アンモニア燃料が実用化された際には比較的小規模な改造で対応できる見込み。

燃焼してもCO2を排出しないアンモニアは、海事業界のGHG(温室効果ガス)排出削減に大きく寄与する燃料として期待されている。安定的なクリーンエネルギーとして今後活用が広がることが見込まれている。

三菱造船の最新型VLGCは、これまで一般的だった重油の代替燃料としてLPGを使用可能、かつ貨物としてアンモニアを運搬できることから、アンモニアの燃料利用に高い親和性を有している。取り組みを加速し、海運領域をはじめとした社会全体の脱炭素化に貢献していきたい考え。


アンモニア燃料に転換可能なLPG燃料VLGCのイメージ図(三菱造船提供)

(藤原秀行)

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