需要増に対応、ガスタービンと小型発電機組み合わせ
エアロディベロップジャパン(ADJ)は6月14日、ドローンや「空飛ぶクルマ」向けのハイブリッド動力システムの量産モデル開発に成功したと発表した。同日、量産モデルの予約注文受付を開始した。
(以下、いずれもADJ提供)
かつてのドローンは総重量25キログラム以下の小型機が主流で、用途としても空撮・測量・検査などに限られてきたが、今後はドローンの大型化が進むと予想。重量物を搭載して長時間飛行するタイプの需要も増えるとみて、対応を強化する。
(国土交通省航空局の資料を参考にADJ作成)
小型ドローンで動力源として利用されてきたリチウムイオンバッテリーは、大型ドローンが長時間飛行するには性能が不十分なため、ガスタービンと小型発電機を組み合わせ、より単位重量当たり出力の大きい動力源を提供する。一般的なリチウムイオンバッテリーの単位重量当たり発電量が1キログラム0.2〜0.25キロワット時程度なのに対し、ADJのハイブリッド動力システムは1キロワット時を超えられると見込む。
2021年6月、ADJはハイブリッド動力システム試作モデルの完成、および同システムを搭載した総重量80キログラムドローンの浮上試験に成功。この時の試作モデルにはオーストリア製ガスタービンを用いていたが、国内量産化と性能改善スピード向上を図り、21年8月以降は国産ガスタービン(ADJ独自設計)を用いたハイブリッド動力システム量産モデル(発電電力30キロワット、回転数9万rpm)開発を進めてきた。今年6月上旬、量産モデルは出力試験をクリアした。
6月21〜23日に千葉市の幕張メッセで開催される「JapanDrone2022」に出展する予定。
(藤原秀行)