庫内作業員が安心・安全に働ける
会社の“思い”を伝える注意喚起表示用サイン
その導入事例や具体的な現場の声を紹介する。
貼る→剥がれる→汚れる→貼り直す
注意喚起サインの悪循環を断ち切る
「働きやすい、安全な職場づくり」を可能にした〈株式会社アイエヌジー〉の新しい「注意喚起表示用サイン」の記事広告が本誌2月号に掲載されてから、当社には80件以上もの問い合わせが寄せられている。いかに物流現場の安心・安全への関心が高いのかがうかがえる。
アイエヌジーは特殊印刷技術の研究開発および関連製品の販売を手がけるものづくり企業だ。「誰もが、ひとめでわかる注意喚起サインはできないか」というお客様からの相談をきっかけに、当社は現場の見える化サインの製品開発に乗り出した。
とある物流現場で当社のスタッフが目にしたのは、注意を促す目的で表示されていたはずの「何か」の上を、フォークリフトやトラックが通過する様子だった。何度となく車両が行き交う中、表示されていたテープは擦れ、剥がれ、床面は薄黒く汚れていた。これではとても、安全管理ができているとは胸を張って言えないであろう。
いくつかの物流倉庫へと足を運ぶことで聞こえてきたのは「ずっと困っていた」という現場のリアルな声だった。庫内には事故防止や災害への対策、働きやすい動線づくりのためにたくさんのトラテープやラインテープが貼られている。しかし、それらは人や車両の往来により、3カ月も経つと貼り直さなければならなくなる。
汚れたテープを剥がし、掃除をし、貼り直すという作業を、ひどい時には毎週のように繰り返す。当然ながら業務時間を割いての作業となるため、現場の運営に大きな支障をきたす。その上、サインの見栄えも今ひとつ。「もっといいものはないのか」とずっと思っていたという。
そこで物流現場の課題を解決するためにアイエヌジーは、自社の特許商品であるUV転写印刷技術を生かして、剥がれない追従性を備えた新たな注意喚起表示用サインを開発した。
「会社の思い=現場のルール」を聞き出し
本当に必要なサインをデザインする
当社の開発スタッフは各地の物流現場で、貼り直すテープが何を意味しているのか、なぜそれが必要なのかもヒアリングした。すると「交差点手前での徐行と一旦停止」「人とリフトを交錯させない歩行帯」など、それぞれが明確な理由を持っていた。
トラテープやラインテープには本来、そのように事故を防ぐために現場のルールを伝えるという役目がある。ところが実際には、言葉で説明をしないとスタッフには伝わらない。朝礼を開いたり、メールで注意喚起を行ったり、何度もルールを説明するための時間が必要になる。
その結果、全ての人が理解したかというと、そうでもないのが実情だ。実際、注意喚起について現場スタッフにアンケートをとってみると、「聞いていない」「知らなかった」という回答が多く返ってくる。
アイエヌジーは会社の決まりごとや現場のルールを、その会社の“思い”として受けとめ、それを「見える化」することを得意としている。そのためにまずユーザーをヒアリングしてメッセージを正確に理解し、それを文字やピクトグラフを使った視認性の高いデザインに落とし込んでいる。
具体的には以下のようなサインを、ユーザーごとにデザインして提案している。
・徐行、一旦停止、止まれ、などを文字で指示
・人のピクトと文字で、退避場所を表示
・防火シャッターの下、物を置いてはいけないなど複数の注意を文字とピクトで表示
左下写真 の「指差し呼称の徹底を促すサイン」はその一つ。この場所で何をするのかを視覚的に表現したデザインは、実際に導入した工場から「効果が上がった」との評価を得て、物流現場の床面サインにも展開することになった。
サインは、車両にいるドライバーや遠く離れたところからでも目につくことを考慮してデザインする。様々な人の目線でサイズや色使いを工夫することで、視認性は格段に高くなる。何よりも、ルール(思い)を説明する時間と手間が必要なくなるのである。
物流現場の導入事例
大手総合物流企業A社様
現場の安全担当者から問い合わせを受け、当社のスタッフと打ち合わせをしたところ、「サインを貼った後の原状回復が可能かどうか」が検討のポイントの一つに浮上した。アイエヌジーの床面サインは、転写シートを使用しているため、剥がし作業に高度な技術や機械は必要とせず、短時間で処理できる。
当初の打ち合わせでは価格面で折り合いがつかず、施工には至らなかった。ところが、本誌2月号に掲載された記事広告を読んだ本社から検討するよう連絡が入り、再度打ち合わせの場が設けられた。
その現場では従来、剥がれにくいとされている高額なテープを使用していた。しかし自分たちで貼り、剥がれたら貼り直すという作業の煩雑さに限界を感じていたという。
そこで改めて、アイエヌジーの注意喚起表示用サインの仕組みを伝えた。その結果、シャッター下や庫内の歩行帯、指差し確認などのサインをトライアルとして施工することになった。施工後、現場スタッフからは次のような反響があった。
・現場が明るくなった
・注意するべきことがわかりやすい
・歩行帯がはっきりしていて安全確認に役立つ
施工から数カ月経った今も現場のサインは剥がれていない。現状では「もう少し耐久性を試したい」との感想をいただいているが、現場を見学に訪れた関連会社の担当者も興味を示しており「グループ会社での導入を視野に入れている」との報告を受けている。
京都産業貨物株式会社様
京都産業貨物株式会社は関西圏をメーンに医療機器や医薬品などの配送を主に取り扱っている運送事業者だ。同社は2021年11月に大阪市此花区で発生した大規模な倉庫火災を契機に、自社の安全対策強化を再点検したという。
従来から自分たちでできることに取り組んできたものの、倉庫の出入口付近の注意喚起には課題があった。同社の現場では、「開閉注意」や「扉開放禁止」の文字をプリントしてパウチしたサインを扉にテープで留めていた。しかし、貼っては剥がれ、作り直してまた貼って…の繰り返しで、さらにはテープ跡で扉が汚れ、困り果てていたという。
相談を受けてアイエヌジーは、同社向けに扉周りの注意喚起サインをデザインして施工した。その結果、出入口がきれいになった上、「物置禁止」のサインなどが自然と周知されるようになった。これを機に、給油場所や倉庫のシャッター下、プラットフォームなど、新たな施工場所を検討しているとの声もいただいている。
ロジテムエージェンシー株式会社様
ロジテムエージェンシー株式会社は、オフィス家具・人材事業・サービス業務の総合代理店を営む日本ロジテムの子会社だ。グループ会社の倉庫内のシャッター下に、アイエヌジーの注意喚起表示用サインを施工したところ、社内から高い評価を得た。
アイエヌジーでは、施工場所が300平米以上となる場合、プリントシステムの導入を提案している。防火シャッター下のサイン幅で8m、トラックが通る通路に表示する歩行帯幅で10mを、施設内の10カ所以上にわたり施工する場合、外注で施工するよりも、システムを導入して社内で製造・施工する方がコストを節約できる。
そこでこれをきっかけに、関連会社の倉庫管理を行う子会社でアイエヌジーのプリントシステムを導入。グループ会社が管理する物流倉庫に順次施工していった。その結果、次のような評価を得られた。
・既存のテープよりも断然目立つ
・貼り替えや補修の手間が省ける
・作業者の注意や意識が変わってきた
・荷主様や外部監査が来場した際に床面サインを目にすることで、安全への配慮を強く意識している会社だという印象を与えている
・出入り業者へのアピールになる
現場を見た外部関係者から「自社の倉庫でも試してみたい」「紹介してほしい」との依頼も受けているという。
同社の他にもシステムを導入した会社からは、「協力会社に対して注意喚起表示サインのアドバイスをスムーズに行えるようになった」との報告をいただいている。
新技術で物流の安心・安全を牽引
このようにアイエヌジーの開発した「見える化サイン」の技術は、これまでできないと現場が諦めていたことを可能にした。それは物流の安心・安全に直接役立つものと確信している。今後もアイエヌジーは、よりデザイン性の高い注意喚起表示用サインを生み出すことを通じて、社会に不可欠なインフラを担う物流業の持続可能性を支えていく考えだ。
お問い合わせ
株式会社アイエヌジー URL:http://ing-global.net/
大阪市中央区船場中央3-2-8 船場センタービル8号館305号
TEL:06-6232-8112 FAX:050-3737-6748
メールアドレス bizw1@ing-global.net
注意喚起表示用サイン 説明動画
https://www.youtube.com/watch?v=0fUxwQ8Xt40
事例紹介
https://ing-global.net/logistics-warehouse/