配信時刻を1時間前倒し、毎日午後1時に
東日本⾼速道路(NEXCO東日本)とNTTドコモは7月27日、東京湾アクアラインと関越⾃動⾞道で実施してきた「AI渋滞予知」について、7月28日から新たに京葉道路でも実証実験を開始すると発表した。
併せて、人口統計データの作成からAIによる予測、予測情報の配信までを⾼速化する、ドコモが新たに開発した技術を採用し、同日から予測の配信時刻を従来の午後2時から午後1時に1時間前倒しし、高速道路ユーザーが午後の予定をより早く計画してもらえるようにする。
AI渋滞予知は携帯電話ネットワークの仕組みを利⽤して作成されるリアルタイム版モバイル空間統計(人口統計)と、NEXCO東日本が保有する過去の交通量・渋滞・規制などの実績データを基にドコモが開発した「AI渋滞予知」技術、さらにNEXCO東日本の交通⼯学的知⾒・ノウハウを掛け合わせることで、当日の人出から所要時間や交通需要を予測し、ドライバーに配信している。
京葉道路は、東京都⼼と千葉県を結ぶ重交通路線で、NEXCO東日本管内でも渋滞が多く発生する路線の1つ。AI渋滞予知を使い、渋滞回避に役立ててもらうことを目指す。
京葉道路の位置図
京葉道路の渋滞状況
今回の実証実験に先⽴ち、京葉道路蘇我ICから篠崎ICまでの過去(979日分)の交通状況について、予測による所要時間と実際の⾛⾏時間を⽐較したところ、30分以上の誤差となった日数は、「従来予測」の115日(11.7%)に対して、「AI渋滞予知」は14日(1.4%)となり、⼤幅な精度向上(30 分以上の誤差となった日数の減)が確認できたという。
1日における最⼤誤差の⽐較
1日における最⼤誤差 | 従来予測 | AI 渋滞予知 |
50 分以上 | 6 日(0.6%) | 1 日(0.1%) |
40 分以上 | 27 日(2.8%) | 3 日(0.3%) |
30 分以上 | 115 日(11.7%) | 14 日(1.4%) |
20 分以上 | 311 日(31.8%) | 71 日(7.3%) |
10 分以上 | 767 日(78.3%) | 287 日(29.3%) |
・ 1日における最⼤誤差とは、京葉道路蘇我IC〜篠崎IC間の過去の交通状況をもとに、14時以降30分毎の予測所要時間と実際の⾛⾏時間を⽐較し、当日最⼤となった誤差の値を指す
・ 蘇我IC〜篠崎IC間を法定速度で⾛⾏した場合の所要時間:約29分
・ 評価対象:2017年1月1日(日)〜2022年2月28日(月)(事故や規制の発生日を除く979日)
いままで | 14 時に当日14 時以降の30 分ごとの予測情報を配信
【提供路線】アクアライン、関越道 |
これから | 13 時に当日14 時以降の30 分ごとの予測情報を配信
【提供路線】アクアライン、関越道、京葉道路 |
(藤原秀行)