ベンチャー開発のパーソナルモビリティーもお目見え
パナソニックと画像認識技術の研究・開発などを手掛けるLiquid(東京)は2月1日、東京・大手町で三菱地所とSAPジャパンが開設したベンチャー企業など向けの拠点「Inspired.Lab(インスパイアード・ラボ)」で、RFIDと生体認証技術を活用した「無人販売ショーケース」の実証実験を公開した。
併せて、電動車いすの開発などを担うスタートアップ企業のWHILL(横浜市)もパーソナルモビリティーの自動運転システムをお披露目した。
24時間キャッシュレスで買い物可能に
無人販売ショーケースはドアに取り付けているLiquidの指紋スキャナーで登録した人と確認できれば開錠。欲しい商品を手に取ると、パナソニックのRFIDアンテナが感知し、ショーケースから外に出ると購入したと判断、自動で決済する。
無人販売ショーケース
無人販売ショーケースのデモ
両社は既存のセルフ購入システムよりさらに消費者の手間を省ける上、パスワードの入力なども不要で24時間好きな時にキャッシュレスで買い物できるようになると説明。
「今回得たデータをベースにしながら、パーソナライズされたプロモーションや消費期限を考慮したダイナミックプライシング(価格の柔軟な変更)などへ進化させ、機会ロスや廃棄ロスを極少化する最適なサプライチェーンコントロールの実現に向けた取り組みを進める予定」と話している。
得た知見は物流ロボットにも活用目指す
一方、パーソナルモビリティーの自動運転システムは、1人乗りとしてWHILLが開発した。実証実験は同社が三菱電機と連携し、建物内のエレベーターとモビリティーを通信回線で接続。エレベーターが無人のモビリティーがある階に自動で停止、扉を開閉して目的の階まで運べるようにする構想を立てている。
パーソナルモビリティーの自動運転システム
運転のデモ
建物内で異なる階の間をモビリティーが自由に行き来できるようにし、障害を持つ人らがより自在に行動できるようサポートするのが狙い。併せて、Liquidとも協力し、セキュリティーシステムが稼働するエリアの内外を円滑に動けるようにすることも視野に入れている。
WHILLなどは将来、公道での自動走行も見据えているほか、物流や清掃、警備向けのロボットにも知見を生かしていくことを目指している。
(藤原秀行)
※タイトル右の無人販売ショーケース写真は三菱地所など提供