走行データ基に独自のアルゴリズムで事故リスクを予測、警告
運輸デジタルビジネス協議会(TDBC)は8月4日、運輸事業者にとって有益と考えられる製品・サービスを対象とした「TDBC認定ソリューション」の第3号として、日立物流の安全運行管理サービス「SSCV-Safety」を選んだと発表した。
SSCV-Safetyは、通常の点呼では把握することが難しい体調の変化によって発生する漫然運転や「ヒヤリハット」を減らすことに注力。ドライバーの健康と安全を同時に見守り、事故を未然に防いで「事故ゼロ社会」を実現していくことを目指している。 産・官・学が連携して事故と疲労の相関性を検証し、膨大な走行データの研究から生み出された独自のアルゴリズムによって事故リスクを予測している。
運行中は「ドライバーの疲労状態」と「運転状況」の中から危険な状況をリアルタイムに検知しドライバーへ通知。かつ危険運転を察知すると状況を録画しクラウドに保存。リアルタイムに閲覧できるようにしている。一部の真に危険な状態は管理者にもメールで通知している。
運行後は検知されたヒヤリハット動画を含む、運行当日の振り返りが短時間でできるよう的確な情報を提供する。
TDBCが7月に開催した「TDBC Forum 2022」の「WG01 事故の撲滅と実現のための乗務員教育」グループの発表で、効果的な乗務員教育のために運行および体調の見える化が図られなければアクションを取ることができないとの検討結果が明らかにされた。運行管理者に負担をかけることなく、現状を振り返る物差しやヒヤリハット情報の収集が求められるということで、2社の運輸事業者(TDBC会員)でSSCV-Safety の実証実験を実施。 盛夏を確認したため、認定ソリューションに選んだ。
(藤原秀行)※写真はTDBC提供