使用資材量8割削減見込む、土壌やコンポストで分解可能
梱包・包装資材の製造・販売などを手掛けるTANAX(京都市下京区、タナックス)は8月9日、森林保護に取り組む国際的な非営利団体FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)の森林認証紙と生分解性プラスチックを組み合わせたペーパーエアクッション「WavePAC」(ウェーブパック)の販売を8月に開始すると発表した。
梱包資材として使われる従来のプラスチック製エア緩衝材の代替品として、EC・通販事業者や製造事業者のプラスチック利用削減、生分解素材への転換に貢献し、脱プラスチックを後押しできると見込む。
(プレスリリースより引用)
WavePACはドイツのフローター社が展開する紙製エア緩衝材「AirWave PaperWave-bio」の国内販売名。TANAXは正規国内販売代理店として日本での利用・製品表示に最適化し、WavePACとして提供する。
新型コロナウイルスの感染拡大以降、利用増加が続くEC・通販や物流の分野でも、消費者の脱プラスチック意識は以前から高まる傾向にあり、EC・通販事業者にとって梱包材でのプラスチック利用削減や素材切り替えは、消費者からのブランドイメージ向上やクレーム削減に直結する重要課題になっている。こうした状況を考慮し、従来のプラスチック製緩衝材からの代替品としてWavePACを提案していきたい考え。
WavePACはエアの気密性を高めるために内側を超薄型の「バイオマスベースの生分解性プラスチック」でコーティング。緩衝性と汎用性に優れ、緩衝材としてはもちろん、割れ物製品の保護材や大型製品のラッピング材など様々な製品梱包で使用できるという。土壌やコンポストで約8週間で分解され、海に入った場合も約200日で65%分解される。
従来型の紙製緩衝材と比較した場合、使用資材量を約80%削減できるとみており、処分時のユーザー負担の軽減にもつながると想定。コスト面でも約30%削減できるとの結果が出ており、低コスト化にも貢献可能と見込むH。
(藤原秀行)