日本郵船、アンモニア燃料タグボートの改造工事契約を締結

日本郵船、アンモニア燃料タグボートの改造工事契約を締結

温室効果ガス排出抑制、24年度に実証運航実現目指す

日本郵船は8月9日、アンモニアを燃料とするタグボートの改造工事契約をグループの京浜ドックと締結したと発表した。

同じくグループの新日本海洋社が東京湾内で運航するLNG(液化天然ガス)燃料タグボート「魁」をアンモニア燃料仕様に改造、2024年度の竣工を目指す。

日本郵船とIHI原動機が2021年10月、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業の公募採択を受けた「アンモニア燃料国産エンジン搭載船舶の開発」の一環で実施する。

アンモニアは燃焼してもCO2を出さないため、地球温暖化対策に貢献する次世代燃料として期待されている。さらに、アンモニアの原料となる水素に「CO2フリー水素」を活用することで、燃料のライフサイクルまで考慮したゼロエミッション化の実現が可能とみられている。

アンモニアを船舶用燃料とすることにより、航海中の温室効果ガス排出量を従来よりも大幅に削減することが可能となるため、日本郵船とIHI原動機は早期の社会実装を目指して研究開発を推進している。開発に際し、アンモニアを燃料として使用する際に様々な設計上の課題があったが、両社は従来の船体の大きさを変えることなく克服し、7月に日本海事協会(ClassNK)から基本設計承認(AiP)を取得した。

今後は2023年度中に改造工事を開始し、24年度の横浜港における実証運航の実現に向けて取り組む。

LNG燃料タグボート「魁」 概要
全長: 37.20m
全幅: 10.20m
型深さ: 4.40m
総トン数: 272トン
船主: 日本郵船株式会社
船籍: 日本


LNG燃料タグボート「魁」


アンモニア燃料タグボートのイメージ


京浜ドックの小澤敏也社長(左)と日本郵船の横山勉グリーンビジネスグループ長(いずれもプレスリリースより引用)

(藤原秀行)

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事