「30年までにLNG燃料船90隻」を着実に推進
商船三井は8月25日、環境負荷の低いLNG(液化天然ガス)を主燃料としたケープサイズバルカー4隻と大型原油タンカー(VLCC=Very Large Crude Carrier)2隻の建造を決定したと発表した。
ケープサイズバルカーは中国船舶集団青島北海造船有限公司(CSSC Qingdao Beihai Shipbuilding)と21万重量トン型4隻の建造契約を締結。商船三井としては初の同造船所での新造発注となり、2025~26年に順次竣工する予定。
VLCCは川崎重工業と30万9千重量トン型2隻の建造契約を結んだ。今回発注したVLCCは、川崎重工業が中国遠洋海運集団有限公司と共同運営している大連中遠海運川崎船舶工程有限公司(DACKS)で建造する。
LNG燃料VLCCの建造は日本のタンカー船社としては初の取り組みとなり、同じく25~26年にかけて順次完成を見込んでいる。
船種(隻数) | ケープサイズバルカー(4隻) | VLCC(2隻) |
---|---|---|
全長 | 約300メートル | 約339.5メートル |
全幅 | 約50メートル | 約60メートル |
載貨重量トン(DWT) | 約210,000トン | 約309,000トン |
竣工予定 | 2025年~26年 | 2025年~26年 |
EEDI規制(註1) | フェーズ3 | フェーズ3 |
イメージ図 |
商船三井グループは50年までにネットゼロ・エミッション(温室効果ガス排出実質ゼロ)を達成することを目指し、21年6月に策定した「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」に沿って脱炭素・低炭素化を推進。その実現に向けた「クリーン代替燃料の導入」戦略として、30年までにLNG燃料船を約90隻投入する予定。
LNG燃料は従来の燃料油に比べCO2では25~30%といった温室効果ガス排出削減効果がある上、船舶燃料として長年使用されている実績がある。
就航済の2隻を含め、既にLNG燃料の導入を決めた自動車船・ばら積み船・フェリー・タグボートに加え、今回のケープサイズバルカーとVLCCで、外航船16隻と内航船6隻のLNG燃料船の建造を決定した。
船種別のLNG燃料船建造決定実績
船種 | 隻数 | |
外航船 | ばら積み船 | 2隻 |
+本件ケープサイズバルカー4隻 | ||
自動車船 | 8隻 | |
タンカー | 本件VLCC 2隻 | |
内航船 | タグボート | 1隻(就航済) |
フェリー | 4隻 | |
内航貨物船 | 1隻(就航済) | |
合計 | 外航船16隻、内航船6隻 |
燃料別 当社外航フリート構成推移イメージ図
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用