ユーザーの業務システムに組み込みも可能
フューチャーアーキテクトは9月1日、AIやIoT、AR(拡張現実)を活用し、スマートフォンなどの小型端末から手書きの日本語やバーコードに加え、賞味期限、型番、製造番号などの商品情報を瞬時に読み取るEdge AI(AIを搭載した端末が収集したデータを端末内で処理し、推論・学習を行うことで瞬時に判断を出す技術)
ソリューションの提供を10月に開始すると発表した。
「EdgeAI-OCR」と「AI検品ソリューション」で、ともに学習済AIモデルを端末に搭載することで、端末内臓のカメラで撮影したデータをAIが解析。スキャニングやクラウド上でのAI解析が不要なため、通信負荷が軽く、少ないサーバリソースで利用できるほか、端末の増減にもフレキシブルに対応することが可能。カメラで撮影した画像を最適化し、屋外や暗所を問わず高品質な読み取りができるのも特徴。
「EdgeAI-OCR」は、書類や伝票をスマートフォンやハンディーターミナルなどの携帯端末で撮影するだけで、その場で即時にデータ化する。書類・伝票を持ち帰ってスキャニング、データ入力する手間が省け、業務の省力化・迅速化を実現できると見込む。
用紙を丸ごと撮影すれば、同社独自のEdge AI技術を駆使し、漢字やひらがな、カナ、英数字など様々なフォントの活字に加えて手書き日本語も高精度で読み取りができる。またSDK(Software Development Kit、ソフトウェア開発キット)として提供するため、ユーザーの業務システムに組み込める。より高い読み取り精度が必要な場合は個別にカスタマイズする。
「AI検品ソリューション」は、通常のバーコードによる検品に加えて、従来のハンディーターミナルでは難しかった賞味期限など商品情報をまとめて読み取る。スマホを固定して利用する「固定タイプ」は指定位置にあるパレットを自動で物体検知して積み付け個数も読み取るため、入荷予定を管理するWMS(倉庫管理システム)と連携させれば検品作業の自動化が可能。「ハンディタイプ」は、ハンディーターミナルと同等のバーコードの認識性能に加えて、型番、製造番号など任意の文字列を自動検出する。
「固定」と「ハンディ」を使い分けることで様々なシーンに投入できる上、物流における入出荷や在庫管理など一連の倉庫業務だけでなく、小売・流通等の現場作業でも効率化を進められるとみている。「固定」のサービス提供は2023年1月の予定。「EdgeAI-OCR」と同様にSDKとして提供、業務システムへの組み込みも可能。
(いずれもフューチャーアーキテクト提供)
(藤原秀行)