国内初、「ソーシャルローン」で原資120億円調達
山九は9月28日、物流や化学プラント保全などの主力事業で協力企業の資金繰りを支援するため、手形やファクタリング(売掛債権の買い取り)を使った代金支払いを取りやめ、全て現金払いに移行する方針を正式発表した。
10月1日以降、手形やファクタリングの利用を廃止し、支払サイトを短縮した「月末締め・翌月末現金払い」を徹底する。対象は資本金3億円以下の全協力企業約1万4000社で、実際に支払うのは件数ベースで月当たり6000~7000件程度とみている。
新型コロナウイルスの感染拡大などで経営環境が厳しい協力企業の資金繰り改善を後押しし、物流ネットワークの維持・強化やプラント保全の技術向上につなげることを意図している。
併せて、現金払いの原資を確保するため、融資対象を社会的課題の解決・緩和に資する事業に限定した「ソーシャルローン」を利用し、9月30日付で120億円を調達する計画も開示した。ソーシャルローンを使い、支払いサイトを短縮するための資金を調達するのは日本で初めてという。
借入期間は3年で、みずほ銀行がアレンジャーを務め、他に三菱UFJや三井住友、福岡、みずほ信託、西日本シティ、山口、伊予の各銀行と明治安田生命、日本生命が貸付人に名を連ねている。
【本ローンの概要】
【本プロジェクトの詳細】
(藤原秀行)