国交省の有識者会議提言受け目標策定、定温コンテナ輸送の拡大なども明示
JR貨物は10月12日、国土交通省の有識者会議「今後の鉄道物流のあり方に関する検討会」が7月に公表した中間取りまとめで貨物鉄道輸送量を伸ばすための方策を提言したのを受け、2025年度までに達成すべき目標としてKGIとKPI(重要目標達成指標)を設定したと発表した。
全日平均の積載率を2020年度実績の69.6%から25年度は76.5%に引き上げることを必達目標に設定。さらにその上を行く「チャレンジ目標」に81.2%を挙げた。
また、定温コンテナ輸送を20年度の35.7万tから11.2%増、31ftコンテナ輸送も415.1万tから11.2%増にすることも打ち出した。中距離帯(400~600km)の輸送は20年度の632.6万tから23.8%伸ばす。
災害など輸送障害への対策強化としては、関係事業者や関係自治体、運輸局などが加わった災害時輸送障害に関するBCP対策会議を新設、対象範囲を5都道府県以上にすることや、利用運送事業者などの関係者と連携した上で山陽線における災害時のカバー率(代行設定輸送力/直近の実輸送量)を30年度に50%とすることも盛り込んだ。
このほか、自衛隊との定期的な意見交換の実施、貨物専用新幹線車両の設計検討、鉄道へモーダルシフトした場合のCO2概算排出量削減(ドア・ツー・ドア)の情報提供サービス導入などを列挙した。
(藤原秀行)