測量やインフラ点検、災害時の状況把握などに活用見込む
ACSLは11月9日、セキュアな国産ドローン「SOTEN(蒼天)」で、11月10日からPix4Dが提供する精巧な地図作成ソフトウェアのPIX4Dmapper、PIX4Dreactが利用可能になると発表した。
SOTENのカメラで対応するのは、ザクティが開発した標準カメラ(CX-GB100)。SOTENで撮影した画像は、Pix4Dのソフトウェアを使うことで測量やインフラ点検、災害時の状況把握など幅広い分野で活用できるようになると見込む。
SOTENは高いセキュリティを備え、データの漏洩や抜き取りの防止、機体の乗っ取りへの耐性を実現。通信・撮影データも暗号化している。併せて、最大対気速度15m/sの耐風性能や、日本でより高精度な位置情報を把握できるSLAS/SBAS(準天頂衛星システムみちびきのサブメータ級測位補強サービス)を搭載するなど、実現場で求められる飛行性能を持たせている。
Pix4Dが提供するPIX4Dmapperはドローンなどで撮影した画像から、精巧な2次元・3次元マップを作成するフォトグラメトリ―ソフトウェア。3次元点群やボリューム計算、赤外線熱マップなど多様なアウトプットを提供できる上、デスクトップで利用するためデータの安全性も確保。測量・建設からインフラ管理など幅広い用途で国内外のプロフェッショナルに重用されているという。
同じくPix4Dが提供するPIX4Dreactは、公共安全向けの高速マッピングソフトウェア。ドローンで撮影した災害現場の上空画像から2次元マップを数分で作成し、迅速な現場把握を実現できるのが特徴。
インターネット接続がなくても利用できる上、アウトプットはモバイル端末でも開くことができるため、緊急時の迅速な情報共有と対応を促せるのが強み。既に国内外の数千を超える消防・警察・NPO団体で導入されている。
SOTENとPix4D社のソフトウェアを組み合わせることで、よりセキュアで、高精細なデータ取得や高速な情報把握ができるようになると見込んでいる。
〈ドローンで撮影した画像をデータ化した際のアウトプットイメージ〉
PIX4Dmapper
撮影した画像からデジタル3Dモデルを作成し、距離、面積、体積を測定できるほか、標高断面データの抽出が可能
PIX4Dreact
2Dモデル化したデータから距離、面積を測定
航空写真マップと作成した2Dモデル化データとの比較※画像はPix4D提供
SOTENの概要
製品名 | SOTEN(蒼天) |
寸法 | アーム展開時:637mm×560mm(プロペラ含む) アーム収納時:162mm×363mm |
重量 | 1720g(標準カメラ・バッテリー含む) |
最大飛行時間 | 大容量バッテリー:25分(標準カメラ搭載時、風速8m/s条件下) 大容量バッテリー:29分(標準カメラ非搭載時、風速8m/s条件下) |
最大伝送距離 (障害物や電波干渉がない場合) |
4km |
防塵・防水性 | IP43(カメラ、ジンバル、バッテリー搭載時) |
標準カメラ(PIX4Dmapper、PIX4Dreact対応) | 動画4K対応 静止画時2,000万画素 |
PIX4dmapperとPIX4Dreactが対応可能な標準カメラを搭載したSOTEN
SOTENの標準送信機
フォトグラメトリー技術のイメージ図
(藤原秀行)※ADSL提供