JERAが邦船大手2社と世界初、発電燃料用アンモニアの大型輸送船開発で連携へ

JERAが邦船大手2社と世界初、発電燃料用アンモニアの大型輸送船開発で連携へ

カーボンニュートラル実現で安全なサプライチェーン構築図る

東京電力ホールディングスグループと中部電力が折半出資し、火力発電などを手掛けるJERAは12月21日、日本郵船、商船三井の邦船大手2社と、2020年代後半の商用運転開始を目指している碧南火力発電所(愛知県碧南市)向けをはじめとした燃料アンモニアの輸送で連携すると発表した。

同日、3社が覚書を締結した。

JERAは2050年時点で国内外の事業から排出されるCO2の実質ゼロ(カーボンニュートラル)実現を目指しており、火力発電はよりグリーンな燃料の導入を進め、発電時にCO2を排出しないアンモニアや水素を燃料とする「ゼロエミッション火力」を追求している。

発電燃料となる大規模なアンモニアをより低廉なコストで調達するためには、輸送船舶の大型化が必要なため、3社で大型アンモニア輸送船の開発、安全な輸送体制の構築などを共同で検討する。


大型アンモニア輸送船のイメージ(プレスリリースより引用)

具体的には①国内火力発電所および受入基地に適した燃料アンモニア輸送船の開発②燃料アンモニア輸送・受入体制の構築③ 船舶燃料としてアンモニアを使用した推進機関の実装・航行④燃料アンモニア受入に関するルール形成に向けた関係各所への働き掛け――での連携を想定している。

JERAは20年代後半の碧南火力発電所4号機における燃料アンモニアの大規模混焼(熱量比20%)の商用運転に向け、今年2月に燃料アンモニアの製造プロジェクトへの参画機会も含めた調達に関する国際競争入札を実施。さらに、発電燃料としてのアンモニア輸送方法が確立できれば、碧南火力発電所に向けた燃料アンモニアの上流から発電に至るサプライチェーンが構築されることになる。

大型アンモニア輸送船の開発、燃料アンモニアのサプライチェーンの構築が実現すれば、いずれも世界初という。

(藤原秀行)

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