日本郵船、老齢LNG運搬船を高効率エンジンへ主機換装する基本設計承認を取得

日本郵船、老齢LNG運搬船を高効率エンジンへ主機換装する基本設計承認を取得

名村造船所や佐世保重工業と連携、輸送の安定化と船舶資源の有効活用目指す

⽇本郵船と名村造船所、佐世保重⼯業の3社は12月12日、老齢の蒸気タービン機関(燃料をボイラーで加熱し、⽣み出した⾼温⾼圧の⽔蒸気を⽻根⾞へ噴射、回転エネルギーを⽣み出す外燃機関)搭載のモス型LNG(液化天然ガス)運搬船の主機換装に関し、日本郵船が今年10月、⽇本海事協会から初めてAiP(基本設計承認)を取得したと発表した。

3社は既存船の環境性能向上、LNG安定輸送への貢献、資源の有効活⽤に向け、主機換装の詳細設計を進める。

LNGは脱炭素社会実現のための重要なトランジションエネルギーと世界的に位置付けられており、今後の輸送需要は堅調な伸びが予想されている。

半面、新造LNG運搬船の発注可能数が限られることや、初期に多く採用された蒸気タービン機関のLNG運搬船は現在主流のディーゼル機関LNG運搬船に⽐べて性能が劣り、徐々に退役が進んでいることから、LNG輸送の船腹不⾜が懸念されている。

課題の解決に向け、3社は蒸気タービン機関LNG運搬船の主機を最新鋭の2元燃料低速ディーゼル機関(燃料を直接燃焼し、回転エネルギーを⽣み出す内燃機関。蒸気タービンより熱効率が優れる)「X-DF エンジン」への換装することを⽬指している。

主機換装による性能改善に加え、蒸気タービン機関LNG運搬船に搭載されているモス型LNGタンク(球型構造のタンク)は強靭で、⻑期使⽤に耐え得る仕様のため、船舶資源の有効活⽤にも寄与できると見込む。

(藤原秀行)

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