1日3便のコースに投入、1台当たりCO2を年間6.1t削減見込む
伊藤忠商事と自動車用チューニングパーツメーカーのエッチ・ケー・エス(HKS、静岡県富士宮市)は11月24日、環境省が2021年に公募・採択された「令和3年度バッテリー交換式EV開発及び再エネ活用の組み合わせによるセクターカップリング実証事業」に則り、共同実施企業と開発したバッテリー交換式小型EV(電気自動車)トラックと搭載するバッテリーパック、バッテリー交換ステーションを用いて、今月からファミリーマート店舗向けの配送実証を開始したと発表した。
プロジェクトは、伊藤忠商事を代表企業とし、共同実施企業としてHKSといすゞ自動車、JFEエンジニアリング、ファミリーマートの4社が名を連ねている。
開発してきたバッテリー交換式小型EVトラック、バッテリーパックとバッテリー交換ステーションについて実証を実施できるめどが立ったため、実際にファミリーマートの配送車として運用する配送実証に移行する。
2台のバッテリー交換式小型EVトラックによる配送実証を実施。バッテリー交換ステーションを設置した埼玉県三郷市のファミリーマート三郷中央定温センターを拠点に、埼玉県三郷市と八潮市を中心とするファミリーマートの延べ約80店舗に向け、おむすびや弁当、サンドイッチなどの中食を中心とした商品の1日3便の店舗配送コースに投入する。
バッテリー交換式小型EVトラックは、バッテリーパックを約3分で交換可能なため、従来長い時間を要していた充電時間が制約とならず配送に使用できると見込む。また、軽油使用の内燃車比較で1台当たりのCO2削減量は6.1t/年になると試算。さらにバッテリー交換ステーションの屋根に設置した太陽光パネルを用いて、再生可能エネルギーと連携させることについても検証する。
HKSは、今回の配送実証を通じて品質・性能・安全性を確認、更に高めることで早期実用化を目指す。日本における商用車のEV化を促進することで物流網の脱炭素化に貢献、脱炭素社会・持続可能な地域社会の実現を図る。
共同実施企業の役割と配送実証概要
バッテリー交換ステーションとバッテリーパック(リリース撮影用写真)
バッテリー交換式小型EVトラックと太陽光パネル
バッテリー交換ステーションでバッテリーパック(キャブと架装の間)を交換中
(藤原秀行)※写真はいずれも伊藤忠商事とHKS提供