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【新連載】止まらない少子化、物流DX待ったなし(第1回)

【新連載】止まらない少子化、物流DX待ったなし(第1回)

想定より10年超早いペース、1年で島根県が消滅する

11月25日、衝撃的なデータが厚生労働省から発表された。9月の人口動態調査によれば、今年1~9月に生まれた子供の数は外国人も含めた速報値で59万9636人。前年同期に比べて約3万人少なく、4.9%減少した。

単月では今年2月から9月まで8カ月連続で前年の実績を下回った。2021年は年間で81万1622人だった。速報値はその後、下方修正されることが多く、残る3カ月も現状のペースで進むと、22年は政府の人口動態に関するデータが残っている1899年以降、初めて80万人を割り込む公算が大きくなっている。

年間出生数のピークは終戦直後の第1次ベビーブームだった1949年の約269万7000人。そこから70年余りを経て、既に3分の1以下の水準まで落ち込んでいる。生産年齢人口の縮小は高齢者の増加を上回る勢いで進んでおり、物流のDXは待ったなしの局面を迎えている。今後は関係者が総力を絞り、なりふり構わず自動化・省力化にまい進するくらいの強い覚悟が求められる。


22年の出生数の推移。21年の実績を下回り続けている(厚労省資料より引用)

生産年齢人口は四半世紀で15%減

厚労省系機関の国立社会保障・人口問題研究所が2017年、国勢調査を基に公表した「日本の将来推計人口」では、一定の人口における出生数の割合を指す「出生率」と死亡数の割合を示す「死亡率」がいずれも、予想したペースの中で真ん中となる「中位」で推移したと仮定した場合、年間出生数が80万人を割り込むのは2033年(79万7000人)と試算していた。もともと、同研究所の将来推計人口は研究者らから「予想が甘い」と指摘されることが多いものの、現実は予想より10年以上も早い勢いで少子化が進んでいるのだ。

出生数が減れば、当然ながら企業の生産活動の中核となる15~64歳の生産年齢人口も縮小していく。総務省の人口推計によれば、日本の生産年齢人口は1995年の8726万人をピークに減り続け、21年には7450万人まで落ち込んだ。四半世紀で15%減ってしまった計算だ。年を取ることで生産年齢人口の定義から外れる人の数と、成長して新たに生産年齢人口にカウントされる若者の数が全くバランスできていない。

先に引用した同研究所の2017年推計では、出生率と死亡率をともに「中位」とした場合、生産年齢人口は15年の7728万人(人口の60.8%)から、40年には5978万人(53.9%)、60年には4793万人(51.6%)、65年には4529万人(51.4%)へと縮小していくシナリオを描いている。15年から40年までの25年を見ても、23%も減っている。

つまり、この期間には、ざっくりと計算して、1日平均で約1900人の生産年齢人口が減っていく。通年ベースに換算すると70万人弱。毎年、島根県全体に相当するだけの生産年齢人口が消えることになる。まさに国家の存亡がかかる危機的状況だということが分かる。2回目以降は、具体的に日本がこれからどんな姿になっていくのかを見ていきたい。

(藤原秀行)

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