千葉や厚木などいずれも首都圏、冷蔵倉庫への転用も検討
香港に拠点を置き、アジア太平洋地域の商業用不動産を手掛ける不動産投資ファンド運営大手のガウ・キャピタル・パートナーズは12月1日、日本の物流施設を初めて取得したと正式発表した。
対象はいずれも首都圏に位置し、稼働中の7棟。賃貸可能面積はトータルで7万6593坪(25万3200㎡)に上り、首都圏の約3700万人分の物流を担っている。千葉、常総、蓮田、橋本、厚木、足利に所在し、大半が東京都心から車で1時間圏内に位置している。
取得した物流施設
ガウ・キャピタルは物件の購入額など詳細を開示していないが、関係筋によれば、メープルツリー・インベストメンツ・ジャパンが開発し米投資ファンドのブラックストーングループが所有していた千葉県印西市の物件などとみられ、トータルで800億円規模のもよう。
ガウ・キャピタルは取得した物件に関し、需要が高まっている冷凍・冷蔵倉庫への転用、太陽光発電を導入などESGの観点から価値向上に取り組む予定。
同社でマネージング・ディレクター兼ヘッド・オブ・ジャパンを務めるイザベラ・ロー氏は「日本の物流ポートフォリオを初めて取得でき、喜ばしく思っております。都市化や電子商取引の進展に伴う需要の高まりによって、日本の物流施設は機関投資家向けのアセットクラスとして成熟を続けており、国内外の投資家から注目を集めています。当社の経験豊富なチームに加え、日本の提携企業の支援により、十分なリターンを創出することができると確信しています」とのコメントを発表した。
イザベラ・ロー氏(いずれもガウ・キャピタル提供)
(藤原秀行)