「株式市場の動向など総合的に勘案」
ローソンは12月16日、子会社で首都圏を中心に高級スーパー約200店舗を展開している成城石井(横浜市)が、東京証券取引所への上場申請を取り下げる方針を決めたと発表した。申請は今年9月に行っていた。
ローソンは株式上場で調達した資金を海外展開加速や物流網改善などコンビニ事業の強化に充てたい考えだった。ローソンは理由について「株式市場の動向などを総合的に勘案した」と説明しており、欧米で景気後退懸念が強まっていることから当初予定通り海外で資金調達ができない可能性が出てきたことなどを考慮したもよう。
ローソンと成城石井は情勢を見ながら、あらためて上場申請のタイミングを探る。
ローソンは2014年、投資ファンドの丸の内キャピタルから成城石井の全株式を取得。成城石井は総菜や輸入食品などが人気を集め、2022年2月期の営業総収入(売上高に相当)は前期比約6%増の1092億円と業績を伸ばしている。
ただ、ローソンのコンビニと成城石井の高級スーパーは取り扱う商品がかなり異なることなどから相乗効果が限定的だったため、上場させて経営の自由度を高め、一層の成長を図りたい考えだったとみられる。
(藤原秀行)