鈴与やホンダアクセスなど
国土交通、経済産業の両省と日本物流団体連合会(物流連)、日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は12月22日、東京都内で2022年度の「グリーン物流パートナーシップ会議」を開催し、物流業務の環境負荷軽減などで成果を挙げた荷主企業や物流事業者の表彰式を行った。
新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、21年に続いて関係者とメディアのみで実施、併せてオンラインでも公開した。
環境負荷低減や業務の生産性向上を成し遂げた事業者が対象の国土交通大臣表彰は異業種連携による中間拠点を起点にした中継輸送を推進した鈴与や富士フイルムロジスティックス、サッポログループ物流、南光運輸、MGCウッドケム、ユニリーバ・ジャパン、ライオン、PALTACの8社が獲得。
経済産業大臣表彰はホンダの車両用純正アクセサリーに関する九州地区の供給モーダルシフトを展開したホンダアクセスとホンダロジスティクス、ホンダパーツ西南、ホンダパーツ九州、日本通運の5社を選出した。
国土交通大臣表彰の受賞者。中央は国交省の古川大臣政務官
経済産業大臣表彰の受賞者。中央は経産省の中川副大臣
冒頭、あいさつに立った同会議の世話人を務める杉山武彦一橋大学名誉教授は「物流の持続可能性を高めるためには、受賞された優れた取り組みを社会に発信し、さらに広げていく必要がある」と強調。
国交省の古川康大臣政務官は「関係者の皆様が連携する革新的な取り組みが表彰を通じ、全国に広がり、持続な可能な物流の発展に向けたパートナーシップがより一層拡大するよう強く期待している」と語った。
経産省の中谷真一副大臣は「引き続き、先進的な取り組みの普及に向けて積極的に取り組んでいただくことを期待している」と呼び掛けた。
国交大臣表彰は「輸送の起点を区間の中間に置くことで、2024年残業時間規制・コンプライアンスに対応した上で、空走距離を最大限短縮した中継輸送を実現。統合配車センター機能と自動配車シミュレーションの活用、2拠点中継輸送、フェリー輸送と陸送の組み合わせ運行、戦略車両の投入した運行を実施して、実車率の高い往復運行と車両使用台数削減によりCO2排出量を削減した」ことを評価。
年間でCO2排出量を約3割削減し、実車率も3つの輸送ルートで18~22%高めたことなどが評価された。
経産大臣表彰は「ホンダ車純正アクセサリー用品の輸送は従来、埼玉県から九州の中継倉庫(RDC)まで大型トラックでバラ輸送し、2人乗務の特例を利用して翌日納品していた。鉄道輸送へのモーダルシフトと輸送容器の導入により、ドライバーの長距離運行・荷役作業の削減、環境負荷の低減」を達成したことを評価。
年間でCO2排出を48.2%減らし、ドライバーの運転時間も48.0%短縮できたことが成果となった。
(藤原秀行)